「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
薄暗い階段まで行き、麻美は焦った様子で私に向き合う。ぱっと目を引くピンクブラウンのボブヘアは今日も素敵だ。切れ長の目はクールな印象を与え、スッキリとした美人で色気を感じさせる大人っぽさがある。
私より十センチ高い百六十三センチの麻美がヒールの高い靴を履くと、さらにカッコよさに拍車がかかる。
捻挫してからはヒールのない靴を履いているので、今日は麻美の顔を少し見上げた。
私にはない魅力を持つ麻美を本当に美人だな、と眺めていると、その綺麗な顔が眉間にくっきりとした皺を作った。
「誰かになにか言われた?」
「ううん。どちらかと言うと、避けられている気がする」
麻美はより一層顔をしかめる。
「さっき駅から会社まで歩いていた時に、前にいたふたりの女の子たちが、美月が大塚さんと不倫をしていて、略奪しようとしたところで奥さんにバレたって話をしていたの」
頭が真っ白になって思考が停止した。麻美が労るように私の背中に手を添える。
「うちらとは面識のない子たちだよ。でも黙ってやり過ごせなくて、本人たちに聞いたの。誰から聞いたのかって」
麻美のこういう行動力があるところが好きだ。精神的な強さがあり正義感に溢れていて、友人や家族を大切にできる人。
心臓は激しく嫌な音を立てていて苦しいけれど、麻美がそばにいてくれるから真っ直ぐ立っていられる。
私より十センチ高い百六十三センチの麻美がヒールの高い靴を履くと、さらにカッコよさに拍車がかかる。
捻挫してからはヒールのない靴を履いているので、今日は麻美の顔を少し見上げた。
私にはない魅力を持つ麻美を本当に美人だな、と眺めていると、その綺麗な顔が眉間にくっきりとした皺を作った。
「誰かになにか言われた?」
「ううん。どちらかと言うと、避けられている気がする」
麻美はより一層顔をしかめる。
「さっき駅から会社まで歩いていた時に、前にいたふたりの女の子たちが、美月が大塚さんと不倫をしていて、略奪しようとしたところで奥さんにバレたって話をしていたの」
頭が真っ白になって思考が停止した。麻美が労るように私の背中に手を添える。
「うちらとは面識のない子たちだよ。でも黙ってやり過ごせなくて、本人たちに聞いたの。誰から聞いたのかって」
麻美のこういう行動力があるところが好きだ。精神的な強さがあり正義感に溢れていて、友人や家族を大切にできる人。
心臓は激しく嫌な音を立てていて苦しいけれど、麻美がそばにいてくれるから真っ直ぐ立っていられる。