「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
 ゼリーとパンを食べた後、まだ薬はないので冷蔵庫にあった栄養ドリンクを飲んで布団に戻った。

 栄養ドリンクは普段ストックしていないため、これも私のために用意したのだろう。

 横向きに寝転びながらメッセージを打つ。

 熱は下がっていないけれど悪化している様子はないのと、食事をする元気はあることと、いろいろ用意してくれて感謝している旨をつづった。

 さて、寝るか……。

 毎日きっちりと睡眠を取っているので寝不足ではないはずだが、睡魔は自然とやってきて目を瞑った。



 大きく鳴り響く着信音で、心臓が飛び跳ねて目が覚める。

 会社から連絡がきたら出られるようにマナーモードを解除しておいたけれど、めちゃくちゃびっくりした……。

 ドキドキと鼓動している胸に手をあてながら電話に応じる。

「おはよう」

『おはよう。熱があるって部長から聞いて、起こしたら悪いと思ったけど、心配で電話した』

 麻美が電話できる時間ということは、今はお昼休憩だろう。一度も起きずにそんなに寝たのかと驚く。
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