冷徹王子の甘い笑顔【番外編】
「いや、あってるよ。ビックリしただけ」

「名前、知ってたんだな」

「まぁ・・・」

声色で皇坂くんが少し焦っているのが感じ取れた。
バスケ部の4人は去年私と同じクラスだったのもあり、
このまま仲良くなってくれたらいいなと思いながら
5人の様子を伺う。

「バスケいつやってた?中学?」

圭の質問に「あぁ」と返事をする。

「ポジションどこだった?」

「一応、言われてたのはSF。
中学だったし、強豪校でもなかったから細かいところまではそんなに」

「まじか!」

皇坂くんの返事に南於が声をあげる。

「SFってことは攻守どっちもいけるってことか」

腕を組み徹が「うーん」と考え込む。

「まぁ本番の大会じゃないし、そこまで細かくポジション決めてやることはないと思うけど・・・」

徹はそこまで言うと難しい表情をした。
目を細め考え込んでいるようだった。

「勝ち進んだらって、ことだよな」

「そう」

圭の言葉に徹は頷く。

「球技大会って学年関係なくあたるから俺たちが決勝まで進んだらあたるチームがあるんだよねぇ」

少し困ったように笑う南於を見て、他の男子バスケ部3人も同じように笑った。
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