冷徹王子の甘い笑顔【番外編】
話しが全く見えない皇坂くんは何も言わずに話を聞いているだけだった。
その表情は冷たく、怒っているかのようにも見える。

「あ、ごめん。俺たちだけで話し進めちゃってた」

それに気付いた徹がすかさず謝罪する。

「いや、別に」

本当に気にしていないからそう言ったのに冷たい印象を与えるには充分だった。
徹と南於は気まずそうな表情をし、チラッと愁斗を見た。

「まぁ簡単に話すと」

視線を感じたのか愁斗が話しだす。

「バスケ部の先輩たちも球技大会に出場するわけで。
3年生の先輩たちは技術が高いのもあってこの学校で勝てる奴はいないかもってこと」

「先輩たちが全員揃ったらそれこそ勝てっこない」

付け足すように圭が話し出す。

「俺たちが決勝に進むって保証はないけど進んだ場合、先輩たちとあたることになると思うから
その時のことを考えたらポジションも視野に入れないとなぁ」

そこで一度会話が止まった。
皇坂くんの言葉を待っているような雰囲気ではあったけど、皇坂くんは何か考えているのか何も話さない。

「何を考えてる?」

怖がることなく真っ直ぐ皇坂くんを見据え、愁斗は言葉を投げかけた。
特に表情を変えることなく皇坂くんも愁斗を見る。
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