冷徹王子の甘い笑顔【番外編】

何事もなく球技大会は進んでいき、
ついに決勝戦を迎える時間になった。

私たちのクラスはバスケのみが決勝に進み、
相手は圭たちが言っていた通り、バスケ部の先輩たちだった。

お昼を食べるときに一度だけ皇坂くんと会って少しだけ話したけど、
バスケがやっぱり楽しいみたいで絶対に優勝すると話してくれた。

お昼もバスケ部のみんなと食べたらしく、
午後の決勝に向けて作戦会議をしたんだとか。

どんな試合になるのかが楽しみなのはみんな一緒みたいで
体育館はすごい人だかりだった。

私たちは場所とりもかねて早く体育館に着いていたから近くで応援ができる。
午前と違うのは決勝の時間を種目ごとにずらしている関係で体育館を貸し切りで使え、
2階席以外にもコートの近くで応援できるのだ。

ある程度の距離はあるけど、近くで見れるなら何だっていい。

コートに私たちのクラスと先輩たちのクラスのメンバーが集まった。
先輩たちはみんなかなり身長が高いみたいで一番低い人で175cmだとか。

「やっぱりお前たちとか~」

「先輩たちと戦えるなんて嬉しすぎます」

審判が準備をしている間に先輩と徹が話している声が聞こえた。

「バスケ部に混ざってめちゃくちゃいい動きをしている新入りは学校の王子様とはね」

少し意地悪そうに言うのはバスケ部のキャプテンでもある人で
たまに毒舌だがとても信頼できるいい人だと聞いたことがあった。
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