冷徹王子の甘い笑顔【番外編】
「おぉ」

「ふっ」

キャプテンの声と圭の笑った声が重なった。
短髪の先輩はまさか言い返されるとは思っていなかったのか、
ぐっと皇坂くんを睨んだ。

「その言葉後悔すんじゃねぇぞ!」

「負けませんから」

強気な言葉に近くにいた女子生徒たちは悲鳴の嵐だった。
隣にいる咲羅も「格好良すぎじゃない・・?」と言葉を漏らしていた。

私の心臓もドキドキしていてうるさい。
まだ試合も始まっていないのにもう格好良すぎて直視できないよ。

審判の挨拶が終わると笛の音が鳴り響いた。
試合が始まった。

先輩たちが攻めに入る。
さすがというか無駄な動きがなく、すぐにゴール下まで移動していた。

負けじとそれを追う圭と愁斗。
遠くのほうで徹が指示を飛ばす。

先輩チームがゴールめがけてボールを放つ。
ボールは綺麗な弧を描きながらゴールに吸い込まれた。

「っしゃ」

短髪の先輩がすぐさま皇坂くんをマークしボールが渡らないようにする。
それを読んでいたかのように南於は徹にパスをした。

パスが渡ると圭と皇坂くんが反対側のコートまで走る。
徹は2人にパスをすると見せかけてすぐ近くにいた愁斗にパスをした。

その一瞬の出来事に気を引かれている内に愁斗は圭にすぐボールを渡すと
圭はゴール下までドリブルをし、そのままボールを放った。

ガコンッ

ボールはリングにはじかれ下に落ちそうになったが、
それを南於が拾いもう一度ゴールに放った。

「やった!」

ボールは見事にゴールに入った。
咲羅とハイタッチをする。
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