冷徹王子の甘い笑顔【番外編】
本来ならば15分あるハーフタイムだが、
球技大会というのもあって10分と設定されていた。

「はぁ~疲れた」

南於はベンチに座ると右足を左足に乗せ
ふくらはぎをマッサージしていた。

「前半で結構動いたよな」

圭も南於の隣に座ると汗をタオルで拭った。

「ほとんどの点は麗が決めてくれたけどな」

愁斗の言葉に皇坂くんに視線が注がれる。
当の本人は見られることには慣れているため特に気にすることなく座ってストレッチをしていた。

「ところで麗。
さっき自由に動いていいかって聞いてきたじゃん?
あれって理由を聞いてもいいやつ?」

徹はさっき疑問に思ったことを投げかけた。

「・・・深い意味はないけど、そっちのほうがやりやすいかなって思っただけ」

「そう?」

徹のほうを一度だけチラッと見てからストレッチを続けていた皇坂くんだったが、

「ほんとにそれだけか?」

愁斗の言葉にピタッと動きがとまった。

「俺たちに気を遣わなくていい」

「麗って本当に優しいよねぇ」

愁斗の言葉に南於も続く。
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