冷徹王子の甘い笑顔【番外編】
いつもの公園に着く頃には日が傾く時間だった。
「暗くなる前にやろうか」
ずっと繋いでいたままだった手を離す。
温もりがなくなるだけで、こんなにも寂しくなるんだ。
離れた手をじっと見ているともう一度ぎゅっと握られた。
バッと顔を上げると皇坂くんの顔が目の前にあった。
「そんな顔されると離しづらいじゃん」
「あ、ごめん」
咄嗟に謝罪の言葉がでたが皇坂くんはふわっと優しく笑う。
「いや、嬉しいよ。俺も離したくないし。」
そこまで言うと私の耳元に顔を近付け、
「2人っきりのときは必ず繋ご、約束」
囁くように言葉を紡ぐ。
きっと今の私は顔が真っ赤に違いない。
耳元から顔を離すと、私の目をじっと見つめる。
とても優しくて吸い込まれそうだった。
「・・ふっ、ほんと可愛い。耳真っ赤だし」
皇坂くんの手が耳に触れ、次に頬に触れる。
恥ずかしさで目が潤んでしまい、ガチガチに固まる私に
「その顔は俺だけにしてね、他の人には禁止」
優しく声をかけると頭をポンポンと撫で、燈真がいるところに行ってしまった。