冷徹王子の甘い笑顔【番外編】
4人は顔を見合わせると、嬉しそうに笑い、

「またやろうぜ!!!」

皇坂くんに抱きついた。
体の大きい男子生徒が5人抱き合っている姿を見て
私たちのクラスから笑いが起こった。

「並べよー」

先輩チームのキャプテンに呼ばれ、
それぞれのチームがセンターラインに集まり挨拶を交わした。

結果は負けてしまったけど、
すごく楽しそうに笑う皇坂くんを見ていたら私の顔も自然と緩む。

「皇坂」

名前を呼ばれ、皇坂くんはベンチに戻る足を止め振り返った。

「あ、えっと、確か」

「黒瀬」

「あ、そうだ。黒瀬先輩」

ずっとベンチに座っていた黒瀬先輩が皇坂くんを呼び止めた。

「ナイスプレーだった。
久しぶりだよ、こんなにも観察しがいがある人間を見るのは」

「それはどうも」

軽く会釈をし、ベンチに戻ろうとしたが
誰かに肩を組まれ動けなくなってしまった。

「なっ」

バッと横を向くと、そこにいたのは短髪の先輩だった。
< 71 / 88 >

この作品をシェア

pagetop