冷徹王子の甘い笑顔【番外編】
「みんな取ったか?」

先生はそう言いながらクラス全体を見渡す。

「全員、食べてるな」

残っているアイスがないか確認した後、
先生は柴田君から携帯を借りた。

「写真撮るから後ろに集まれー」

ガタガタと音を立てながらクラスの皆が後ろに集まる。
皇坂くんの近くに行きたい子たちが多いのか、ソワソワしているのが見えた。

私も隣で写りたいけど無理かなぁ・・・。
諦めていたところに

「咲羅、こっち空いてる」

愁斗が咲羅を呼ぶ声が聞こえた。
「弥兎、あっち行こ」と手を引っ張られ、ついた先にいたのは
バスケ部の4人と皇坂くんだった。

「あっ・・・」

今まで何回も目が合っていたのに、いざ目の前にすると顔が赤くなるのが自分でもわかった。
「ふふっ」と徹が笑ったかと思いきや

「はい、ここね」

私と皇坂くんを隣同士にし、私の左隣には咲羅。
皇坂くんの右隣には徹、その隣に愁斗。
そして私たちの前には圭、南於が並んだ。

一番後ろの列だから後ろにはロッカーがあるだけだった。

「あ、の・・・」

「いいからいいから」

私の言葉を無視し、みんなはそこから動かず先生が撮るのを待った。

「撮るぞー」

先生がそう言い、携帯を私たちに向け1枚撮ったとき、ぎゅっと右手を握られた。
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