冷徹王子の甘い笑顔【番外編】
「ここの公園に2人で来るのも久しぶりだね」
「確かにそうだな」
いつも皇坂くんと燈真が練習している公園についた私たちは手を繋いだままバスケコートの近くにあるベンチに座った。
「今日ほんっとに楽しかったな~!」
「うん、楽しかった」
チラッと皇坂くんの横顔を見ると微かに笑っていた。
その表情に私も嬉しくなる。
「なに?」
視線に気付いたのか笑いながら私の方を向いた。
「んーん!なんでもない!」
「なにっ」
「なんでもないよっ」
「なんだよ」
皇坂くんの両手が私の頬を包んだ。
綺麗な顔が目の前に・・・。
「んぅ・・」
「ははっ、真っ赤じゃん。可愛い」
そう言って優しく微笑むから私の心拍数は上がりっぱなしだ。
「・・・」
私の目を逸らさず、じっと見つめていた皇坂くんの顔が突然曇る。
どうしたんだろう、そう聞こうと口を開きかけたとき
「ありがとう」
小さな声で、でも確かに皇坂くんはそう言葉にした。