きみがいた。
コンビニをみつけたので、そこで絆創膏とおにぎり、飲み物をかうと、お小遣いがなくなった。とぼとぼ、とぼとぼ、歩いているうちにしおちゃんは寝てしまった。心がぽきんと折れて、僕は座り込んでしまった。ふと、お守りをあけると、一万円がはいっており、交番を探しておまわりさんに電車での帰り方を書いてもらい、家路についた。
「ただいま……」怒られると思ったのに、僕たちの姿を見ておじいちゃんは嬉しそうに、
「えらかったな、けがは勲章や!」とあたまを
ぐしゃぐしゃとなでて褒めた。
その日から、どこに行くか必ず言わないといけなくなった。
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