きみがいた。
第3章
第3章

初潮が小学校3年生の時に来るまで、ぐんぐんと背が伸びて学校の先生の背を越してしまった。人生初めてのブラジャーは子供らしいスポブラではなく、おばさんのつけるようなものに思われてたまらなく恥ずかしくて、私はどんどん口数が少なくなっていった。かずにいが元々静かな人で、本ばかり読んでいるせいで、私も本棚から難しい本を借りて読んでいた。
「面白いよな、ランダムに思いつく単語を並べるだけで、その人を分析できるんだ」
「フロイト、だよね。ニーチェの悲劇の誕生は読んだ?」
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