きみがいた。
かずにいが中学3年生の夏、居なくなったかずにいのお父さんがうちへやってきて、大人の話をするからと言って、かずにいと私は2階の子供部屋で待っていた。そのまま、かずにいは、お父さんと千葉で暮らすことになった。

「かずにい」
「ん?」
「なんか、夏らしいことしようよ!」
「暇乞いか?」
「いとまごいです。じゃーん」わたしは、るるぶのひまわり畑特集をかずにいに見せた。
「明日は日曜だよ?」私は言った。かずにいは、びっくりした顔でなにかを思い出したみたいだったが、なんのことかわからなかった。

< 16 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop