きみがいた。
「えー。思ってたよりちいさいね」
「だね……」
クリムトの《接吻》は、金色の不思議な絵で、恋人たちの足元は崖だった。

すると、かずにいの手が私の手をつかんだ。かずにいの手はおおきくて、あったかくて、私は手だけで気持ちよくなってしまった。

「かずにい、つきあう?」
「つきあお、しおちゃん」
「うんっ」
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