きみがいた。
「お父さん、和眞さんと結婚させていただきます」なんか、変だな?と思いつつ私から切り出してみた。

するとお父さんは、急に土下座の格好になった。

「紫織さん、これまでの全てのことを許してください、どうか、どうか…」
急展開にもほどがあった。なぜか全てのことを謝られた。きっと謝りたいのは私ではなくおじいちゃんになのだろう。私の親族で生きている人がもう1人もいなかった。

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