きみがいた。
こわい夢をみた。おかあさんの部屋から、動物みたいなこえがする。
おおおおー。おおおおー。
それはお母さんが苦しむ声だった。
そのまま、おかあさんは……。もう小学生だから、人の死というものも、自分で死ぬと言うことも理解していた。
僕はよくこの夢を見るのだ。がばっと起きて、布団のそばのランプをつけると、紫織がすやすやと眠っていた。布団が剥がれて、足も手も投げ出して大の字だった。髪の毛はあちこちはねている。紫織の気持ちよさそうな寝顔をみると心がおちついたので、また眠ることにした。
僕が起きると、しおちゃんはまたでんぐり返りをして遊んだり、部屋の中でかけっこをしていた。
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