きみがいた。
「いっしょにいく?」
「うんっ」僕は、自転車の後ろの荷台に、座布団をくくりつけて、しおちゃんをのせた。
「かずちゃん、しおちゃん、遊びに行くんか?これお守りに持って行き。5時の鐘が鳴る時には帰りや」おじいちゃんが、巾着袋に紐がついたものを、僕の首からかけてくれた。
「ありがとう」僕は少しずつ、発語ができるようになっていた。

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