蝉時雨ーイジメとの戦いー
「とにかく…今は美咲さんを保健室に連れていきましょう。」
西尾先生が泣いている美咲さんを見ながら言う
「そうやな、美咲いこうか」
「はいぃ…」
夏木先輩達は私を睨みながらでていった
部室には隼人くんと優が残った。
長い沈黙
「大丈夫ですか…?」
沈黙を破ったのは隼人くんである。
「あ、うん大丈夫だよ」
私は微笑んだ
「あいつ…野々村…前々から俺達に凛からイジメを受けてるって言ってたんだ」
優から聞かされたことは衝撃的だった
「仕事もしないって…」
隼人くんが付け足すように呟く
「でも野々村は応援ばかりで、俺と隼人は野々村を疑ってたんだ」
自然と涙がこぼれた
「…ありがとう」
「「え?」」
二人の声が重なる
「私を信じてくれて、ありがとう」
私は二人に笑顔を向けた