蝉時雨ーイジメとの戦いー
「…ねぇ、優」
私は帰り道、沈黙を破り優に話しを持ち掛けた。
「ん?」
「なんで…みんな信じてくれなかったのかな…私…みんなに何かしちゃったのかな…」
「…お前のせいじゃない」
優の口から意外な言葉がでてきた
「え?」
「野々村…お前にいじめられてるとか仕事やってないとか言ってたって言ったろ?」
「そう…だね」
改めてショックを受けた…
三咲とはずっと仲良しだと思ってたから…
「最初はみんな疑ってなかったけど…野々村かなり言ってたし…それに今回のことで完全に…」
「…」
言葉がでなかった
「でもみんなすぐ目を覚ますさ!大丈夫!」
「三咲ちゃん…さ、自分でドリンクかけたんだ…」
「知ってる」
「え?」
「凛がドリンクかけるとかするわけねぇじゃん!」
優はにかっと笑った
綺麗な笑顔だと思った。
私は、負けちゃ駄目だ
信じてくれる人がいるから、
諦めちゃいけないんだ!