それを相性と呼ぶのなら

第3話 別れ

あの時の日本酒、美味しかったな。

ぼーっと、外を眺めていると、三喜に手を握られた。

「なに、見てるの?」

ああ、そう言えば今、三喜とデートの最中だった。

「ごめん。ぼーっとしていた。」

三喜は、はぁーっとため息をついた。

「その様子だと、俺の話、聞いてなかったよね。」

「えっ……」

話?何の話だった?

「……別れようって、言ったんだ。」
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