それを相性と呼ぶのなら
翌日、私のところにメールで、有難い知らせが来た。

「この前のファンタジー、早速重版になったわ。」

「すごい!部長!」

「あー、これで編集長にも、顔向けできる。」

腕を伸ばして、背伸びをした。


「ところで部長って、そこそこいい歳だって、お聞きしましたけど。」

才華ちゃんが、私に迫って来る。

「結婚しないんですか?」

「結婚ね……」

私は椅子をクルッと回して、外を見た。

「私、結婚しないんじゃなくて、きっとできないのよ。」

そう思うしかない。
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