それを相性と呼ぶのなら

第4話 謝りたい

若いって羨ましいと、この歳になって、しみじみ思う。

才華ちゃんは、まだ25歳。

仕事にも、恋愛にも、一生懸命になれる歳だ。


「あっ、辻本先生!」

なのに、才華ちゃんは海里を見て、パタパタと走っていく。

何なの!?

私はそろりと、二人の後ろの壁に隠れた。


「この前の新刊、すごく面白かったです。」

「ありがとう。」

「そこでなんですけど……お祝いにどこか食事でも行きませんか?」
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