それを相性と呼ぶのなら
ううん。もっと……38歳で小説家デビューとか、していなければ?

私は、海里とどうなっていた?


「新刊、好評だってね。おめでとう。」

「川瀬のおかげだよ。」

「あら私、何もしてないけれど?」

「こうやって、飲みに来ると、ふっと浮かぶんだよ。いいシーンが。」

海里の笑顔は、私を安心させる。

仕事に邁進する私を、”そのままでいいんだよ”って、言ってくれているみたいで。


「ねえ、私達大学時代、お互いいいと思っていたよね。」
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