それを相性と呼ぶのなら
「うーん……」

海里はテーブルを拭きながら、頭を抱えてしまった。

「若い時だったら、別れているかな。」

「そうよね。なんだかんだ言って、身体の相性が合わないと、付き合っていけないわよね。」

「そうだね。」

私は海里に、新しい日本酒を注いだ。

「そうなると、身体の相性の為に、相手に気を遣うしかなくなるのよ。だって、身体も中身も相性がいいって人、なかなかいないでしょ。」

私は、ため息をついた。

「それが大人の恋だと思うんだけど、最近、分からなくなっちゃった。」

「ははは。」
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