それを相性と呼ぶのなら
「行きましょうか。」

ファンタジー部門の編集者、木原さんに案内されて、私は打ち上げブースに向かった。

どんな人が、新人賞取ったのだろう。

まだ若いぴちぴちの女の子?それとも、まだ高校生だったりして。


「辻本さん。部長がお会いしたいそうです。」

「それはどうも。」

立ち上がった人物は、私と同じ歳ぐらいの、アラフォー世代だった。

しかも……

「あれ?川瀬……」

「……辻本君。」


そう。

新人賞を取ったその新人さんは、私の初体験の相手、辻本海里だった。
< 5 / 30 >

この作品をシェア

pagetop