それを相性と呼ぶのなら

第2話 日本酒

「辻本さんの受賞作、読まれました?」

「辻本君の?なんていうタイトル?」

「”勇者に転生したんだが妹もお嬢様に転生して困っている”です。」

「……それ、どういう話?」

すると木原さんは、その本を私に渡した。

「百聞は一見に如かずですよ。部長。」

木原さんは、ファンタジーが大好きで、常にいくつか本を持っているという噂がある。


「どうだね。川瀬君。」

「編集長!」

私が新入社員の時からお世話になっている久志編集長だ。


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