それを相性と呼ぶのなら
辻本君と飲みに行ったのは、週末だった。

「仕事、お疲れ様。」

手を挙げて取っておいてくれた席を、手を挙げて教えてくれた。

「いつもこんな時間に終わるの?」

「これでも早い方よ。辻本君は?新作、上手くいってる?」

「俺は、ストックがたくさんあるから。それを直せば終わり。」

「そんな簡単に、いかないわよ?」

「分かってます。」

悔しいけれど、ファンタジーの世界では、彼の方が上だ。

「何飲む?」
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