ずっとずっと大好き。
あーいい経験になったなー。

お店を出た後、帰り道で私からラインを送った。
「今日はありがと!」

「こちらこそありがとう!来てくれて楽しかったよー」
お仕事の合間に返してくれてる。うれしいな。

彼との会話を思い出すとふわふわした。
けど、初めてのお店で、思ってたのとはずいぶん違ってたかな。


 Aくん「初めまして、マイ・スウィート・ハニー。今宵も僕の美しさに酔いしれてくかい?」

 Bくん「僕の隣においで、かわいい仔猫ちゃん」

 Cくん「二人で楽しい夜にしようなー!」

 「「「君の瞳に、乾杯★☆★(笑)」」」


…とか、そんな感じを想像してたんだけど。笑
乙女ゲームの世界を現実に再現したみたいな!笑

別にそういうオーバーな演技とかではなく、あくまで一緒に飲んでくれるかっこいい話し相手みたいな。
子供っぽい想像だったかも。。。


それからしばらくは、短いメッセージが毎日来て細々とやりとりが続いていた。

初めての体験できたのは楽しかったけど、すっかりハマったってわけでもなかったし。次行くにしてもちょうど仕事も忙しかったし。
しょっちゅう連絡をもらうのはちょっと気が引けた。

彼の返事だけ返す形でやりとりしていた。
正直盛り上がってはなかったと思う。
せっかく送ってきてくれるんだから丁寧に返そうと思って、仲良くなれるように色々話してみる。

けれど、店休日になると急に向こうからの連絡がやんだ。

えー、、、あからさま。所詮営業ってことか。

別に嫌々連絡なんかしてもらいたくなんかないんだけど。。。

私の返事もどうでもいいってことか。。。

本音が見えてがっかりしてしまった。
恋愛のプロだと思っていたけれど、この程度…?

休み明けにはまた連絡がはじまって、別に嫌いではないしな、と諦めて連絡を返していた。
そのあとも、ちょっとした喧嘩もした。

なんか、お金を払っているんだから、その分接客で気持ちよく楽しませてもらえるものかと思ったけど。

SNSを見ると案外みんなそういうものらしい。

『イケメンと、喧嘩しに行くところ』

ホストクラブに対して出した結論はそれだった。

私には関わりのない世界。

それなのに、連絡が途絶えても、彼のことを忘れることはなくて。
なぜか知りたいと思う気持ちが芽生えて。

彼のことが特別になったのは
いつからだったんだろう。
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