幸せになる資格
可愛いあの子
「仁孤ちゃん、持つよ!」
「こ、皇紀くん?」
皇紀…また白川ちゃんに…
好き…なんだろうな…
「皇紀!」
「あ、…なに?」
白川ちゃんのほうばっか見てる…
「…」
「どうしたの?雨宮ちゃん?」
雨宮ちゃん、かー…
白川ちゃんのことは名前呼びなのに…
彼女は、私なのに…
「皇紀」
「ん?」
やっぱり皇紀、白川ちゃんのほうばっか見てる…
私は白川ちゃんを見る。
「あ、ごめんなさいっ…」
泣きそうで、すごい綺麗なソプラノの声。
華奢な身体。
柔らかい明るい茶色のセミロングの髪。
低い声で、高身長で、黒髪ロングの私とは、大違いだ。
「仁孤ちゃ…」
「皇紀」
白川ちゃんを呼び止めたそうな皇紀を呼ぶ。
すると、笑ってこっちを見てくれた。
「白川ちゃんと、もう…」