死神×少女
バタン!
亜矢の部屋のドアが勢いよく開いた。
コランの寝ているベッドの前で座っていたグリアは、その音に振り向くなり目を丸くして固まった。
「あそこのベッドに寝てる子よ!お願い、助けて!!」
「へ〜え?どれどれ……」
なんと、どういう訳か亜矢が例の悪魔の教師を連れて帰ってきたのである。
グリアは驚き、声も発しないまま、ベッドに近付いてくる二人を避けるようにして部屋の隅に移動した。
オランが、ベッドに寝ているコランの顔を覗き込む。
「ほう……コイツは誰かと思えば……」
そう言うなり、オランは眠るコランの頬を軽くピタピタ叩いた。
「オラ、起きなぁ!」
「きゃああっ!何してるの!?病気の子にっ!!」
オランの突然の荒々しい行動に、亜矢は慌てて制止する。
コランは目を覚まし、うっすらと開いた瞳でオランの姿を捕らえる。
そして、その口から小さく出た一言。
「……………兄ちゃん……」
ハっと、亜矢の動きが止まる。
「なーにこんなトコでくたばってんだよ、弟」
え?え?と、亜矢はコランとオランの間で何度も視線を移らせる。
「も、もしかして……魔王ってコランくんのお兄さん?」
偶然なのか必然なのか。あまりにも上手く巡り合わせた展開に、亜矢はただ呆然とする。
「それより、今は早くコランくんを助けてあげて!」
亜矢はオランに言う。
「『コランくん』ねえ……ククク」
オランは含み笑いをしながら、片手を亜矢の目の前に差し出した。
ポンッ☆
すると、オランの手には小さな草が出現し、亜矢の目の前で小さく葉を揺らした。
「え?」
亜矢がキョトンとして目の前に出された草を見るが、オランがそれをグイっと押し付けてきたので、亜矢はそれを受け取った。
「魔界の薬草だ。そいつを小さく刻んで、スープにでも混ぜて飲ませてやりな」
「…やっぱりコランくんは病気なの?」
「いや、人間界の環境に身体が馴染んでねえからよ、ガキには耐えられなかっただけの事だ。ったく、ガキのくせに面倒な…」
そのオランの言葉を聞いたコランが、反応した。
「ガキ……じゃない……」
熱で頬を赤く染まらせながら、不満そうな顔をする。
亜矢は少しホっとしつつも、その薬草を持ってキッチンへと急ぐ。
亜矢の部屋のドアが勢いよく開いた。
コランの寝ているベッドの前で座っていたグリアは、その音に振り向くなり目を丸くして固まった。
「あそこのベッドに寝てる子よ!お願い、助けて!!」
「へ〜え?どれどれ……」
なんと、どういう訳か亜矢が例の悪魔の教師を連れて帰ってきたのである。
グリアは驚き、声も発しないまま、ベッドに近付いてくる二人を避けるようにして部屋の隅に移動した。
オランが、ベッドに寝ているコランの顔を覗き込む。
「ほう……コイツは誰かと思えば……」
そう言うなり、オランは眠るコランの頬を軽くピタピタ叩いた。
「オラ、起きなぁ!」
「きゃああっ!何してるの!?病気の子にっ!!」
オランの突然の荒々しい行動に、亜矢は慌てて制止する。
コランは目を覚まし、うっすらと開いた瞳でオランの姿を捕らえる。
そして、その口から小さく出た一言。
「……………兄ちゃん……」
ハっと、亜矢の動きが止まる。
「なーにこんなトコでくたばってんだよ、弟」
え?え?と、亜矢はコランとオランの間で何度も視線を移らせる。
「も、もしかして……魔王ってコランくんのお兄さん?」
偶然なのか必然なのか。あまりにも上手く巡り合わせた展開に、亜矢はただ呆然とする。
「それより、今は早くコランくんを助けてあげて!」
亜矢はオランに言う。
「『コランくん』ねえ……ククク」
オランは含み笑いをしながら、片手を亜矢の目の前に差し出した。
ポンッ☆
すると、オランの手には小さな草が出現し、亜矢の目の前で小さく葉を揺らした。
「え?」
亜矢がキョトンとして目の前に出された草を見るが、オランがそれをグイっと押し付けてきたので、亜矢はそれを受け取った。
「魔界の薬草だ。そいつを小さく刻んで、スープにでも混ぜて飲ませてやりな」
「…やっぱりコランくんは病気なの?」
「いや、人間界の環境に身体が馴染んでねえからよ、ガキには耐えられなかっただけの事だ。ったく、ガキのくせに面倒な…」
そのオランの言葉を聞いたコランが、反応した。
「ガキ……じゃない……」
熱で頬を赤く染まらせながら、不満そうな顔をする。
亜矢は少しホっとしつつも、その薬草を持ってキッチンへと急ぐ。