俺様CEOの子どもを出産したのは極秘です
28 総悟の過去1
二階堂会長と竹芝副社長の妻・京香に獅童を預けて、桃花は総悟に手を引かれて歩いていた。
「二階堂社長、どこに向かうんですか? ちょっと強引ではないですか?」
「ん? 強引かな? そうでもないんじゃない?」
「それは私が決めることだと思います」
「それは悪かった。だけどね、君に返さなきゃいけないものがあるんだ」
……返さないといけないもの。
桃花は心当たりを思い浮かべた後、何げなく返した。
「うさぎのマスコットやブランケットや私の履歴書だったら、返していただかなくても結構ですが」
総悟は返事をしてくれなかったが、代わりに彼が握ってくる手の力がぎゅっと強くなった。
「仕事の際に見かけましたが、ブランケットは大事に使っていただけているようですし……履歴書はちゃんと社の書類に返却した方が良いかとは思いますが……」
しかしながら、やはり総悟からの返事はない。
「それにしたって、どれも社長室にありましたよね? あとは、社長のマンションにあったはずです」
だがやはり、総悟からの反応がない。
(どうしたのかしら?)
桃花は気になって彼の顔を覗いたのだが……
「社長? ……っ……」
思わず瞠目した。なぜなら……
(総悟さん、耳まで真っ赤だわ)
桃花がびっくりするぐらい総悟の顔は赤面していた。
彼が俯きながらポツリと呟いた。
「桃花ちゃん本人から気づかれてるとは思ってなかった」
彼は、どうしてだか赤面しているではないか。
(なんで顔が真っ赤なの?)
初めてキスをした時の彼の反応のことを思い出してしまった。
すると、気恥ずかしに総悟が続ける。
「桃花ちゃんがいなくなって……桃花ちゃんだと思ってずっとそばに置いてたんだ」
「えっ……!?」
彼の言い分を聞いて、桃花までみるみる真っ赤になってしまう。
「なんか俺のこと、ちょっと痛いやつだと思ったよね?」
「いいえ、そんなことはなくて……」
なんて返せば良いのか分からずに、桃花の胸もムズムズしてしまった。
「むしろ大事にされているなって、嬉しいなと思いました」
総悟が先を歩くものだから、桃花からは顔が見えなくなってしまう。
すると、彼がポツリと告げた。
「これからは、ちゃんと君を大事にするから」
「……っ」
ますます彼の握った手の力が強くなる。
その強さが、総悟が桃花のことを大事にするという気持ちの表れのようで……
(総悟さんの返したいものって何なんだろう?)
桃花は総悟に強引に手を引かれるのが、なんとなく嫌じゃなくなっていたのだった。
「二階堂社長、どこに向かうんですか? ちょっと強引ではないですか?」
「ん? 強引かな? そうでもないんじゃない?」
「それは私が決めることだと思います」
「それは悪かった。だけどね、君に返さなきゃいけないものがあるんだ」
……返さないといけないもの。
桃花は心当たりを思い浮かべた後、何げなく返した。
「うさぎのマスコットやブランケットや私の履歴書だったら、返していただかなくても結構ですが」
総悟は返事をしてくれなかったが、代わりに彼が握ってくる手の力がぎゅっと強くなった。
「仕事の際に見かけましたが、ブランケットは大事に使っていただけているようですし……履歴書はちゃんと社の書類に返却した方が良いかとは思いますが……」
しかしながら、やはり総悟からの返事はない。
「それにしたって、どれも社長室にありましたよね? あとは、社長のマンションにあったはずです」
だがやはり、総悟からの反応がない。
(どうしたのかしら?)
桃花は気になって彼の顔を覗いたのだが……
「社長? ……っ……」
思わず瞠目した。なぜなら……
(総悟さん、耳まで真っ赤だわ)
桃花がびっくりするぐらい総悟の顔は赤面していた。
彼が俯きながらポツリと呟いた。
「桃花ちゃん本人から気づかれてるとは思ってなかった」
彼は、どうしてだか赤面しているではないか。
(なんで顔が真っ赤なの?)
初めてキスをした時の彼の反応のことを思い出してしまった。
すると、気恥ずかしに総悟が続ける。
「桃花ちゃんがいなくなって……桃花ちゃんだと思ってずっとそばに置いてたんだ」
「えっ……!?」
彼の言い分を聞いて、桃花までみるみる真っ赤になってしまう。
「なんか俺のこと、ちょっと痛いやつだと思ったよね?」
「いいえ、そんなことはなくて……」
なんて返せば良いのか分からずに、桃花の胸もムズムズしてしまった。
「むしろ大事にされているなって、嬉しいなと思いました」
総悟が先を歩くものだから、桃花からは顔が見えなくなってしまう。
すると、彼がポツリと告げた。
「これからは、ちゃんと君を大事にするから」
「……っ」
ますます彼の握った手の力が強くなる。
その強さが、総悟が桃花のことを大事にするという気持ちの表れのようで……
(総悟さんの返したいものって何なんだろう?)
桃花は総悟に強引に手を引かれるのが、なんとなく嫌じゃなくなっていたのだった。