俺様CEOの子どもを出産したのは極秘です
だけど、これから先に何が待っているのだろうかという期待が同時に沸いてくる。
ブラウスを肩先から滑り落とされる。彼の指が背中に回り、ブラのホックが外され腕から先へと脱がされる。
二階堂副社長の視線を感じる。
まだ灯りが消されていないので、相手の衆目の下に晒されているのだと思うと、恥ずかしかった。
同時に慌てて露わになった上半身を隠す。
「ごめんね、俺の気が利かなかった。灯りを消すから」
そうして、彼がベッドの頭元にあるスイッチに触れると、室内が暗くなった。
急な暗闇に視界がなかなか慣れない。
そんな中、彼女の身体は彼の逞しい二の腕に優しく抱き寄せられた。
「震えてるね」
「あ……」
自分では気づいていなかったが、どうやら桃花は震えてしまっていたようだ。
「だけど、大丈夫だから……ほら、緊張しないで……優しくするから」
まるで優しい凪いだ海のような声音。
副社長から耳元で優しく諭されるように告げられると、桃花の震えが次第に落ち着いてくる。
「はい……」
いつもなら「副社長、しっかりしてください!」と言っている桃花だったが、完全に立場が逆になってしまっていた。
「俺に任せてくれたら大丈夫だから、ね……」
「分かりました」
二階堂副社長に任せてほしいと言われて桃花は力強く頷いた。
そうして、彼の指が彼女のタイトスカートのチャックを降ろし、スカートを腰から足先に向かって脱がせていく。
レースの下着に相手の手がかかると、桃花は沸騰しそうなぐらいに全身に熱を感じた。
そっと下着も足先にかけて脱がされていくと、桃花は生まれたままの姿になる。
(あ……)
こんな格好になってしまって、二階堂副社長が言った通り、剥き出しの自分自身を曝け出すようで、なんだか心元なくなる。
ドクンドクンドクン。
心臓がこれまで以上に早鐘を鳴らした。
桃花は緊張でひりつく喉から、どうにか声を振り絞る。
「……わ、私だけ裸なのは……なんだか狡いです……」
「ええっ、こういうのもズルに入るの……? 桃花ちゃんのお願いなら、仕方ないな……」
彼の指がネクタイにかかると、しゅるりと解く。
白いYシャツの襟元から、隆線を描く鎖骨と胸板が覗いた。
どことなく色香を感じてしまい、桃花の心臓がドキンと跳ねる。
そうして、優美な仕草で釦が外されていくと、厚い胸板が露わになった。
(細身に見えるのに筋肉がすごい……)