俺様CEOの子どもを出産したのは極秘です



 そうして、彼がちゅっと彼女に口づけると極上の笑みを浮かべた。

「さあ、桃花ちゃん、俺に掴まってよ」

「……はい」

 桃花は総悟の広い背にしがみついた。
 心臓が激しく脈打つ。
 ドクンドクンドクン。
 抱きしめられているだけなのに、全身が熱を帯びてきた。
 目の前の彼のこと以外考えられなくなる。
 二人抱きしめ合って結ばれた。
 互いの熱い吐息が交じり合う。
 総悟が桃花に口づけを落とした。
 疲れた彼女を労わるように何度も何度もキスの雨が降ってくる。

「桃花……まだ足りない……」

「あ……」

 総悟の熱を孕んだ眼差しが桃花の潤んだ瞳を射抜く。

「もっと君が欲しい……君の全てを俺にだけ見せてほしい……」

 熱情と劣情とを宿す彼の瞳には、どこか縋るような影が見え隠れして、彼女は拒むことができない。
 身体の内側から、もっと彼に愛されたいと望む自分が見えかくれしてくる。

「総悟さん……あっ……」

 総悟の逞しい腕が、再び桃花の身体をかき抱く。

「桃花……」

「総悟さんっ……」

 その夜は一晩中、熱に浮かされ続けたまま、桃花は総悟に身を委ねたのだった。
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