フェンリルに捧ぐ愛の契り 〜旦那さまを溺愛してもいいのは私だけです! 耳を食みたいのです!〜
第7話「愛することは誰にも非難できない」
「お姉さま……」
人の住まう華美な部屋に通され、そこでも見張りがついておりルーナはベッドに顔をうずめて泣いていた。
明るくハツラツとしたルーナが泣いてばかりなことに戸惑うシルヴィアであったが、ついに動き出す。
「お姉さまと二人きりでお話がしたいの。部屋から出て行ってちょうだい」
「しかし……」
「これは命令よ!」
頑固に胸を突き出して騎士に命じ、部屋から追い出してしまう。
してやったりと誇らしげに口角をあげると、シルヴィアはソファーの上に置かれたカバンを持ってルーナのもとへと歩いていく。
大きなボストンバッグは膨らみをつぶす音をたて、ベッドの上に乗せられた。
「私のお姉さまはそんなに弱かったかしら?」
「シルヴィア……?」
「危なっかしいところは多い。ですがそんなことはどうでもよくなるほどに愛情に満ちた方です」
ふんっと細っこい腕でルーナの手首を引っ張った。
縄で縛られていた手首にはくっきりと締め跡がついている。
痛々しい傷にシルヴィアはそっと手を重ね、温もりを分け合った。
「お姉さまはあの狼を愛していらっしゃるのですね?」
「……うん。とっても……心から愛してるわ」
抱きしめたくなるのは。
唇を寄せたくなるのは。
愛おしさに、独占欲を抱くのはリアムだけ。
慈愛に満ちたルーナが父王に逆らってまで手を伸ばす深い愛情だった。
人の住まう華美な部屋に通され、そこでも見張りがついておりルーナはベッドに顔をうずめて泣いていた。
明るくハツラツとしたルーナが泣いてばかりなことに戸惑うシルヴィアであったが、ついに動き出す。
「お姉さまと二人きりでお話がしたいの。部屋から出て行ってちょうだい」
「しかし……」
「これは命令よ!」
頑固に胸を突き出して騎士に命じ、部屋から追い出してしまう。
してやったりと誇らしげに口角をあげると、シルヴィアはソファーの上に置かれたカバンを持ってルーナのもとへと歩いていく。
大きなボストンバッグは膨らみをつぶす音をたて、ベッドの上に乗せられた。
「私のお姉さまはそんなに弱かったかしら?」
「シルヴィア……?」
「危なっかしいところは多い。ですがそんなことはどうでもよくなるほどに愛情に満ちた方です」
ふんっと細っこい腕でルーナの手首を引っ張った。
縄で縛られていた手首にはくっきりと締め跡がついている。
痛々しい傷にシルヴィアはそっと手を重ね、温もりを分け合った。
「お姉さまはあの狼を愛していらっしゃるのですね?」
「……うん。とっても……心から愛してるわ」
抱きしめたくなるのは。
唇を寄せたくなるのは。
愛おしさに、独占欲を抱くのはリアムだけ。
慈愛に満ちたルーナが父王に逆らってまで手を伸ばす深い愛情だった。