フェンリルに捧ぐ愛の契り 〜旦那さまを溺愛してもいいのは私だけです! 耳を食みたいのです!〜
第8話「大好きな旦那様に、契りを」
ルーナはそれを見上げて、強張っていた表情が柔らかくなるのを感じる。
「旦那様……」
リアムが地面に着地すると、その衝撃に騎士たちはよろけて倒れていく。
ルーナは騎士たちを突き飛ばして、一心にリアムへと手を伸ばし抱き着いた。
「なにも出来なくてごめんなさい。旦那様が苦しんでいたのに」
「良い。……遅くなってすまない」
大きな口元に頬を摺り寄せると、湿った黒い鼻と銀の毛並みがルーナをくすぐった。
顔を上げるとトパーズとルビーの瞳が涙を流すルーナを見つめていた。
「もう痛くはありませんか? 縄はどうされたのです?」
「痛くない。あれは魔獣をとらえるためのもの。……オレは魔獣なんかじゃない。ただの」
唇をよせ、憂いのこもった息を吐く。
「ただ妻を愛する一人の男だ」
そんな甘美なささやきがあってよいのか。
悪い魔獣を縛るものであり、リアムは魔獣と呼ばれる呪いを捨てた。
畏怖され、いつのまにかその通りにフェンリルとなって生きていた。
リアムの本音にルーナはおだやかに微笑んで、涙を拭う。
「私は旦那様といたい。旦那様を愛しているんです」
「旦那様……」
リアムが地面に着地すると、その衝撃に騎士たちはよろけて倒れていく。
ルーナは騎士たちを突き飛ばして、一心にリアムへと手を伸ばし抱き着いた。
「なにも出来なくてごめんなさい。旦那様が苦しんでいたのに」
「良い。……遅くなってすまない」
大きな口元に頬を摺り寄せると、湿った黒い鼻と銀の毛並みがルーナをくすぐった。
顔を上げるとトパーズとルビーの瞳が涙を流すルーナを見つめていた。
「もう痛くはありませんか? 縄はどうされたのです?」
「痛くない。あれは魔獣をとらえるためのもの。……オレは魔獣なんかじゃない。ただの」
唇をよせ、憂いのこもった息を吐く。
「ただ妻を愛する一人の男だ」
そんな甘美なささやきがあってよいのか。
悪い魔獣を縛るものであり、リアムは魔獣と呼ばれる呪いを捨てた。
畏怖され、いつのまにかその通りにフェンリルとなって生きていた。
リアムの本音にルーナはおだやかに微笑んで、涙を拭う。
「私は旦那様といたい。旦那様を愛しているんです」