フェンリルに捧ぐ愛の契り 〜旦那さまを溺愛してもいいのは私だけです! 耳を食みたいのです!〜

狼だから自然と共に生きるのだろうか。

いつか衣服も身にまとうことなく、四つ足で大地を走るようになるだろうか。

嗅覚が発達して、手足で相手をバシバシ叩くかもしれない。

時には毛づくろいとして銀の毛並みを舐めているかも……。

(いやん。私ってば、まだ早いですわよ)

狼への嫁入りという時点でルーナの覚悟は決まっていた。

覚悟というより、興奮を隠す必要がなくなった。

ルーナは動物好きであり、特にやや硬めの毛並みには鼻息を荒くする人間だ。

狼が相手となればまさに理想。

想像以上に大きな身体をしており、ルーナが見上げる必要がある程だ。

身長として換算すれば四つ足状態で2mくらいだろう。

そんな凛々しい顔立ちをして、足跡は丸々として愛らしい。

銀の狼と結婚をするという未知の領域に踏み込みながらもワクワクが上回っていた。
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