結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
プロジェクトのため、日帰りや一泊での出張が多い真臣のために、私が着替えや必需品などをまとめて準備していた。新幹線や飛行機の時間を確認するのも私がやっていた。
でもそれは、忙しい真臣のために力になりたいと思ってやっていたことだ。
今はもう、それをする気持ちにもなれないし、する必要もないと思う。
「どうして私が?」
「距離は置いてるけど、まだ一緒に住んでるしいいよね。帰ったらパパッとやってくれたらいいんで、いつも通りよろしくね!」
そう言い切ると、私の動揺など全く気にしない様子で、彼は自分のデスクに戻っていった。
……意味が全然わからない。真臣はただの喧嘩だと思っているの?
その場で話をしたかったが、彼が他の社員さんと仕事の話を始めたので、問い詰めるのは家に帰ってからにしようと諦めた。でも、まともな話し合いになるとは到底思えなかった。