結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
「通勤や通院にも便利なこのマンションの居心地が良すぎるんですよ。そういえば……私の部屋のカーテンを替えたいのですが、よろしいでしょうか? 備え付けの遮光カーテンだったので、一応大家さんに許可をもらってからと思って」
「それは構いませんよ。すみません、古いものをそのまま使わせてしまって」
「いえ、とんでもないです! 上質な良いカーテンなのですが、部屋の雰囲気を明るくしたくて!」
私の趣味で、ラグやテーブルクロスなどをボタニカルで統一したら、濃い茶色のカーテンが浮いてしまったのだ。
「買い物なら車出しましょうか? 荷物持ちくらいできますよ」
「八木沢さんは普段お忙しいんですから、休日はゆっくり休んでください。近くのお店に歩いて行くので大丈夫です」
徒歩十五分ほどの場所にインテリア用品の大型店舗やホームセンター、雑貨店が揃っている。便利。
でも、「大丈夫だ」と言ったのに、「カーテン結構重たいですよ。持てますか?」と子供扱いされ、「僕も家具を見たいので」とまで言われたので、お言葉に甘えて車を出してもらうことになった。
どう見ても、量販店にあるような低価格帯の家具は使ってないくせに。