止まない雨の降る夜は
風呂上がりにリビングで缶ビールを一本。光量をしぼったダウンライトの下、長ソファに体を沈め、炭酸を喉に流し込む。

部屋に余計なものは置かない、テレビもない。寝てるか、メシ食うか、仕事するか。居心地だの使い勝手だのにはこだわらない。何もないほうが落ち着く。

空き缶をシンクに、腰に巻きつけてたタオルを洗面所のランドリーバスケットに放り込んで、隣の寝室へ。開けっぱなしのドアを閉め、布団を剥ぐと、Tシャツ一枚で寝入ってる女を仰向けにして組み敷いた。

「・・・起きろよ、小夏(こなつ)

「・・・んー・・・、カオルちゃん、おかえりぃ・・・」

「あんたも懲りねーな」

「あのねぇ、しばらく泊めてぇ・・・?」

眠そうに目をこすりながら、ふにゃふにゃ笑う女。

「オレのとこに来るってことは、こうなるって分かってんだよな?」

まくり上げたTシャツを脱がすのも抵抗されない。痩せ気味で小ぶりな胸が露わになっても、全部をオレに晒しても、オレが全部を晒しても。小夏は抵抗しない。
< 3 / 16 >

この作品をシェア

pagetop