止まない雨の降る夜は
「だってカオルちゃん・・・、お金はいらないっていつも」

困ったように目を泳がせた仕草。

「金があるならネカフェでも行けよ」

「・・・ここ寝心地いいし?」

「好きでもない男にヤらせるのがか」

「そんなのじゃ、ないもん・・・」

毎回おなじやり取りを繰り返す。小夏がどっか傷ついた顔をするのを確かめてからオレは、背けた顎下を捕まえる。

やっぱり抵抗しないぷっくりした下唇に噛み付いて、上唇を舌でなぞり、口の中を侵す。息継ぎをさせない、苦しがっても放さない。あんたに拒否権なんてない。何度でも教え込む。

汗に雑じって甘い匂いがする。声を殺そうとする小夏に命令する。もっとすがれ、強請れ。欲しがって壊れちまえ。

執拗に責める。懇願をはねのける。逃がさない。オレが満足できるまで。

濡れたシーツが冷たくなってくのを感じながら、シャワーも浴びずに寝落ちた。一方的に欲情を吐き出される小夏が、どんな目でオレを見てようが知ったことじゃない。

最初にギブアンドテイクって言ったのはどいつだよ。・・・人の気も知らねー女が。
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