止まない雨の降る夜は
テーブル上のコンビニ飯に一瞥をくれると、ボクサーパンツにTシャツだけ被った。冷えた炭酸水のペットボトルに口をつけながら、ソファにどっかり腰掛ける。

「しょうがねーから食う」

わざと億劫そうにミックスサンドをつかみ、フィルムを剥がす。

テーブルの端から小夏がオレを見上げて「いっぱい食べてー」と笑った。そのスェットの下はオレの付けた痕だらけだってのに、平気そうに笑った。

「彼女できた?カオルちゃん」

「・・・いたら今ごろあんたを叩き出してるよ」

「そっか」

ふにゃり。

「邪魔だったら言ってね」

「邪魔だったらな」

ぶっきら棒に玉子サンドを口に放り込む。

「なるべく早く出てくねー」

「別に・・・。払うもん払ってくれりゃどうでもいい」

「でもカオルちゃん優しいから、ずっといるとダメ女になっちゃうもん」

聞き流しかけて止まった。自問自答。オレと小夏の会話、噛み合ってたか?

・・・ねーよ。
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