私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
1−11 レベルアップ?
『クロード! ほら、見て。探していたのはこのペンダントじゃないの?』
地面にペンダントを置くと、私は駆け寄ってくる2人にケロケロと鳴いた。
「あ! こ、これは……!」
クロードは私が地面に置いたペンダントを拾い上げた。
「クロード様、もしやこのペンダントは……?」
「ああ、そうだ。間違いない。このペンダントは半年ほど前に僕が池で落としてしまったペンダントだ……!」
地面にしゃがみ込むと私の身体をつまみ上げて手のひらに載せて顔を近づけてきた。
キャーッ! イケメンが私の眼前にっ!
思わず興奮して勝手に喉がケロケロとなってしまう。
「ありがとう、白蛙さん。君は本当に不思議な蛙だね。本当に人の言葉が通じているんだから。このペンダントはね……大切な人から貰ったものなんだ……」
ギュッとペンダントを握りしめるクロード。
「良かったですね。クロード様。ルイーズ様から頂いたペンダントが見つかって」
え? ルイーズ? ルイーズって……ひょっとして……クロードの大切な女性なの?
「うん。本当に良かったよ……このペンダントがカラスのせいで池に落ちてしまったときは本当に悲しかった……もう二度と戻ってこないと思っていたのに……ありがとう、白蛙さん。約束通り、お礼をさせてもらうよ」
その言葉がじんわりと自分の心に染みていくようだ。全ては自分が元の身体に戻る為の人助けだった。けれども、こんなに喜ばれると損得抜きにして人助けして良かったと心から思える。
そこで私は自分の素直な気持ちを述べることにした。
『いいえ、お礼なんていいです。私なんかがお役に立てて良かったです。でも、そんなに大切なペンダントだったのですね。ところでルイーズって女性のことを出来れば知りたいかな〜なんて思うのですけど』
ケロケロと鳴きながら訴えると、クロードも庭師さんも驚いたように目を丸くして私を見つめている。
「き、聞いたか……? ベン。今の……」
あ、この庭師……ベンて名前だったのか。初めて知った。
「え、ええ。しかとこの耳で聞きました」
『え? 何を聞いたんですか?』
私が尋ねると……。
「「か、蛙がしゃべっている!!」」
クロードと庭師さんが同時に声をあげた。
ええっ!? う、嘘っ!!
自分ではケロケロと鳴いていたつもりだったが……どうやら私はいつの間にかレベルアップして人の言葉を喋っていたようだった――
地面にペンダントを置くと、私は駆け寄ってくる2人にケロケロと鳴いた。
「あ! こ、これは……!」
クロードは私が地面に置いたペンダントを拾い上げた。
「クロード様、もしやこのペンダントは……?」
「ああ、そうだ。間違いない。このペンダントは半年ほど前に僕が池で落としてしまったペンダントだ……!」
地面にしゃがみ込むと私の身体をつまみ上げて手のひらに載せて顔を近づけてきた。
キャーッ! イケメンが私の眼前にっ!
思わず興奮して勝手に喉がケロケロとなってしまう。
「ありがとう、白蛙さん。君は本当に不思議な蛙だね。本当に人の言葉が通じているんだから。このペンダントはね……大切な人から貰ったものなんだ……」
ギュッとペンダントを握りしめるクロード。
「良かったですね。クロード様。ルイーズ様から頂いたペンダントが見つかって」
え? ルイーズ? ルイーズって……ひょっとして……クロードの大切な女性なの?
「うん。本当に良かったよ……このペンダントがカラスのせいで池に落ちてしまったときは本当に悲しかった……もう二度と戻ってこないと思っていたのに……ありがとう、白蛙さん。約束通り、お礼をさせてもらうよ」
その言葉がじんわりと自分の心に染みていくようだ。全ては自分が元の身体に戻る為の人助けだった。けれども、こんなに喜ばれると損得抜きにして人助けして良かったと心から思える。
そこで私は自分の素直な気持ちを述べることにした。
『いいえ、お礼なんていいです。私なんかがお役に立てて良かったです。でも、そんなに大切なペンダントだったのですね。ところでルイーズって女性のことを出来れば知りたいかな〜なんて思うのですけど』
ケロケロと鳴きながら訴えると、クロードも庭師さんも驚いたように目を丸くして私を見つめている。
「き、聞いたか……? ベン。今の……」
あ、この庭師……ベンて名前だったのか。初めて知った。
「え、ええ。しかとこの耳で聞きました」
『え? 何を聞いたんですか?』
私が尋ねると……。
「「か、蛙がしゃべっている!!」」
クロードと庭師さんが同時に声をあげた。
ええっ!? う、嘘っ!!
自分ではケロケロと鳴いていたつもりだったが……どうやら私はいつの間にかレベルアップして人の言葉を喋っていたようだった――