私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
1−13 胡散臭い魔法使い ①
「え……? な、何で……? 私、さっき一瞬人間の言葉が喋れるようになって、その後突然また蛙の鳴き声に戻って……それが、何で今は普通に話せるの!?」
すると魔法使いは得意げに言った。
「それは、この僕が君に呪いを掛けた張本人だからさ」
「ちょっと! 人に呪いを掛けておいてそんな爽やかに言わないでよ! でもさっきほんの一瞬だけど話せたのにっ!」
「うん、確かに話せたね。だけど、君の邪な心が再び人の言葉を話せなくしてしまったのさ」
「邪な心……?」
一体どういうことだろう? 腕を組んで首をひねると、とたんに魔法使いが大笑いした。
「アハハハハハハッ!! お、お願いだから……そ、そんな人の素振りみたいな真似しないでくれないかなぁ? も、もっと蛙らしく振る舞ってよ! く、苦しい……わ、笑いすぎてお腹がよじれる……!」
魔法使いはおかしくてたまらないとでも言わんばかりにお腹を抱えて、危なっかしいことに木の上で笑い転げている。
「ちょっと! 私はもともと人間なんだから蛙らしく振る舞えるはずないでしょう? それにここは木の上、笑い転げて落ちたらどうするのよ!」
「ひ〜……あ〜…苦しかった……」
再び魔法使いは眼鏡を外した。
途端に超絶美形の素顔が現れ、不覚にも見惚れてしまう私。
「こんなに笑ったのは久しぶりだよ……」
そして魔法使いは笑いすぎの涙を拭う。う〜……ほんっとに性格は悪そうなのに、こんなにイケメンなんて反則だ。
「と、ところでこれ位のことでそんなに笑うなんて、普段余程笑いに飢えているのね?」
「うん。確かに笑いに飢えているかも……こんなに心底笑ったのは120年ぶりくらいかな?」
「ふ〜ん……120年……ええっ!? ひゃ、120年ぶりぃ!?」
驚きのあまり、ついケロケロと喉が鳴ってしまった。当然、それを見て再び魔法使いが笑い転げたのは言うまでもなかった――
ようやく魔法使いの笑いが止まったところで、早速私は疑問に思っていたことを尋ねることにした。
「ねぇ、聞きたいことがあるんだけど」
「うん、分かってるよ。君が何を聞きたいか」
再び眼鏡をかけてしまった魔法使いが頷く。
「貴方、一体今何歳なの?」
「え? 質問て……そっちの質問なの?」
「そうよ。だってそんなに若くて(しかもイケメン)で笑ったのが120年ぶりなんて、実際の年齢が知りたくなるのも当然でしょう?」
すると魔法使いは腕組みした。
「うん。確かに君の言うことは尤もかも知れないね……。でももう自分の年令が幾つか分からなくなってしまったんだよね。300歳を超えた辺りから面倒になって、年を数えるのをやめてしまったから。でも多分……500歳くらいかもしれないね」
「ええっ!? そ、そんなにおじいちゃんだったの!?」
いや、でも今目の前にいる彼はどうみても20代の青年にしか見えない。
ますます私の中でこの胡散臭い魔法使いの謎が深まってしまった――
すると魔法使いは得意げに言った。
「それは、この僕が君に呪いを掛けた張本人だからさ」
「ちょっと! 人に呪いを掛けておいてそんな爽やかに言わないでよ! でもさっきほんの一瞬だけど話せたのにっ!」
「うん、確かに話せたね。だけど、君の邪な心が再び人の言葉を話せなくしてしまったのさ」
「邪な心……?」
一体どういうことだろう? 腕を組んで首をひねると、とたんに魔法使いが大笑いした。
「アハハハハハハッ!! お、お願いだから……そ、そんな人の素振りみたいな真似しないでくれないかなぁ? も、もっと蛙らしく振る舞ってよ! く、苦しい……わ、笑いすぎてお腹がよじれる……!」
魔法使いはおかしくてたまらないとでも言わんばかりにお腹を抱えて、危なっかしいことに木の上で笑い転げている。
「ちょっと! 私はもともと人間なんだから蛙らしく振る舞えるはずないでしょう? それにここは木の上、笑い転げて落ちたらどうするのよ!」
「ひ〜……あ〜…苦しかった……」
再び魔法使いは眼鏡を外した。
途端に超絶美形の素顔が現れ、不覚にも見惚れてしまう私。
「こんなに笑ったのは久しぶりだよ……」
そして魔法使いは笑いすぎの涙を拭う。う〜……ほんっとに性格は悪そうなのに、こんなにイケメンなんて反則だ。
「と、ところでこれ位のことでそんなに笑うなんて、普段余程笑いに飢えているのね?」
「うん。確かに笑いに飢えているかも……こんなに心底笑ったのは120年ぶりくらいかな?」
「ふ〜ん……120年……ええっ!? ひゃ、120年ぶりぃ!?」
驚きのあまり、ついケロケロと喉が鳴ってしまった。当然、それを見て再び魔法使いが笑い転げたのは言うまでもなかった――
ようやく魔法使いの笑いが止まったところで、早速私は疑問に思っていたことを尋ねることにした。
「ねぇ、聞きたいことがあるんだけど」
「うん、分かってるよ。君が何を聞きたいか」
再び眼鏡をかけてしまった魔法使いが頷く。
「貴方、一体今何歳なの?」
「え? 質問て……そっちの質問なの?」
「そうよ。だってそんなに若くて(しかもイケメン)で笑ったのが120年ぶりなんて、実際の年齢が知りたくなるのも当然でしょう?」
すると魔法使いは腕組みした。
「うん。確かに君の言うことは尤もかも知れないね……。でももう自分の年令が幾つか分からなくなってしまったんだよね。300歳を超えた辺りから面倒になって、年を数えるのをやめてしまったから。でも多分……500歳くらいかもしれないね」
「ええっ!? そ、そんなにおじいちゃんだったの!?」
いや、でも今目の前にいる彼はどうみても20代の青年にしか見えない。
ますます私の中でこの胡散臭い魔法使いの謎が深まってしまった――