私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
1−17 神のみぞ知る?
魔法使いの顔面に蛙キックを入れた後、私は再び質問した。
「ねぇ、それじゃ私はまた人前で蛙の鳴き声でしか鳴けなくなってしまったの?」
「うん、そうだよ。お気の毒だけど。あ、でも安心していいよ? 僕の前ではちゃんと人の言葉で会話できるから。良かっただろう? この僕と意思疎通出来て」
「あんまり良かったとは言えないけれど……仕方ないわね。それで、どれだけ私は人から感謝してもらえれば人間に戻れるのよ」
「う〜ん……」
すると魔法使いは腕組みをしながら考え込んでしまった。
「何? ひょっとして偉大な魔法使いのくせに分からないの!?」
わざと「偉大な」を強調してやった。
「うん……それは……」
「それは……?」
「神のみぞ知るってところかな?」
その言葉に拍子抜けしてしまった。
「何よそれ無責任な!勝 手に人に呪いを掛けておいて酷いじゃない!」
「仕方ないよ。だって僕は王子の命令で君を蛙に変える呪いに……プフッ! か、かえるに変えるって……わ、我ながら面白過ぎる……!」
魔法使いは肩を震わせて笑いをこらえている。
「だから、笑ってる場合じゃないでしょ! 1年以内に元の姿に戻れなければ、その姿のまま一生すごさなければならないなんて……!こんなの幾ら何でも酷すぎでしょう!?」
「だけど、仕方ないよ。だって君は王子の大切な恋人に散々酷い目に遭わせてきたんだろう? おまけに命まで狙ったそうじゃないか。だから王子は怒って、君を蛙の姿に変えるように命じたんだから。自業自得なのさ」
自業自得……そう、これは自業自得……。
「って、ちがーうっ!! そうじゃないってばっ!」
思わず両手?を上に上げてケロケロと喉を鳴らす私に再び魔法使いは爆笑するのだった――
「ヒ−ヒッヒッヒッ! く、苦しい……し、死ぬっ! 笑死しそう……ッ!!」
魔法使いはお腹を抱えて、引き笑いをしている。
「ちょっと! 本っ当にいい加減にしてよ! 私の人としてのタイムリミットは後1年しかないのよ! 人違いでこんな姿のまま一生を送りたくないのよ!!」
ケロケロケロと鳴らしたくもない喉が勝手になる。
「アハハハハハ……ッ!! だ、駄目だ……!! わ、笑いが止まらないよ……!! と、とりあえず自分を落ち着かせる為に……ヒ−ヒッヒッ!! で、出直してくるよ!!」
「は!?」
その言葉に耳を疑う。
「ちょ、ちょっと! 出直してくるって……もしかして帰るってことなのっ!? 冗談じゃないわよっ!!」
しかし、魔法使いは指をパチンと鳴らして最後の言葉を言い終わる前に姿を消してしまった。
「コラーッ!! どうせいなくなるなら、せめて……せめて私をこの木の上から下ろしていきなさいよーッ!!」
ケロケロと私の虚しい叫び声は風に吹かれる木々のざわめきでかき消されるのだった――
「ねぇ、それじゃ私はまた人前で蛙の鳴き声でしか鳴けなくなってしまったの?」
「うん、そうだよ。お気の毒だけど。あ、でも安心していいよ? 僕の前ではちゃんと人の言葉で会話できるから。良かっただろう? この僕と意思疎通出来て」
「あんまり良かったとは言えないけれど……仕方ないわね。それで、どれだけ私は人から感謝してもらえれば人間に戻れるのよ」
「う〜ん……」
すると魔法使いは腕組みをしながら考え込んでしまった。
「何? ひょっとして偉大な魔法使いのくせに分からないの!?」
わざと「偉大な」を強調してやった。
「うん……それは……」
「それは……?」
「神のみぞ知るってところかな?」
その言葉に拍子抜けしてしまった。
「何よそれ無責任な!勝 手に人に呪いを掛けておいて酷いじゃない!」
「仕方ないよ。だって僕は王子の命令で君を蛙に変える呪いに……プフッ! か、かえるに変えるって……わ、我ながら面白過ぎる……!」
魔法使いは肩を震わせて笑いをこらえている。
「だから、笑ってる場合じゃないでしょ! 1年以内に元の姿に戻れなければ、その姿のまま一生すごさなければならないなんて……!こんなの幾ら何でも酷すぎでしょう!?」
「だけど、仕方ないよ。だって君は王子の大切な恋人に散々酷い目に遭わせてきたんだろう? おまけに命まで狙ったそうじゃないか。だから王子は怒って、君を蛙の姿に変えるように命じたんだから。自業自得なのさ」
自業自得……そう、これは自業自得……。
「って、ちがーうっ!! そうじゃないってばっ!」
思わず両手?を上に上げてケロケロと喉を鳴らす私に再び魔法使いは爆笑するのだった――
「ヒ−ヒッヒッヒッ! く、苦しい……し、死ぬっ! 笑死しそう……ッ!!」
魔法使いはお腹を抱えて、引き笑いをしている。
「ちょっと! 本っ当にいい加減にしてよ! 私の人としてのタイムリミットは後1年しかないのよ! 人違いでこんな姿のまま一生を送りたくないのよ!!」
ケロケロケロと鳴らしたくもない喉が勝手になる。
「アハハハハハ……ッ!! だ、駄目だ……!! わ、笑いが止まらないよ……!! と、とりあえず自分を落ち着かせる為に……ヒ−ヒッヒッ!! で、出直してくるよ!!」
「は!?」
その言葉に耳を疑う。
「ちょ、ちょっと! 出直してくるって……もしかして帰るってことなのっ!? 冗談じゃないわよっ!!」
しかし、魔法使いは指をパチンと鳴らして最後の言葉を言い終わる前に姿を消してしまった。
「コラーッ!! どうせいなくなるなら、せめて……せめて私をこの木の上から下ろしていきなさいよーッ!!」
ケロケロと私の虚しい叫び声は風に吹かれる木々のざわめきでかき消されるのだった――