私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
1−19 まさか⁉
「ケロッ! ケロケロケロケロッ!!」
(あっ! クロードに庭師さんっ!!)
あの憎たらしい魔法使いの後に癒やしのクロードに会えたことで、嬉しさのあまり私はぴょんぴょん飛び跳ねた。
「蛙さん、すごく喜んでいますね」
庭師さんが笑顔でクロードに話しかけた。
「うん、きっとこの袋の中身が気になるんだよ」
そしてクロードはしゃがみ込むと私の前に紐で結ばれた布袋を置いた。
はて? これは一体なんだろう?
「ケロケロ?」
(これ何?)
「蛙さん、君は僕の大切なペンダントを見つけてくれたから本当に感謝しているんだよ。これはプレゼントだよ。お礼の気持ちとして受け取ってもらえるかな?」
そして笑顔を向けてくる。
ドッキーン!!
イケメンの笑顔は破壊力抜群だ。何を隠そう、私はイケメンに弱いのだ。魔法使いもとびっきりのイケメンだけど、いかんせん性格が宜しくない。
そこへいくと、このクロードはイケメンの上にとっても優しい。うん、あんな魔法使いに比べると彼のほうが10倍……いや、比べるのもおこがましい。
「ケロケロケロ? ケロケロケロケロ?」
(これプレゼント? 私にくれるの?)
布袋を前に、無駄とは知りつつクロードに尋ねる。すると私の鳴き声? が通じたのか頷くクロード。
「うん、蛙さんへのプレゼントだよ」
(ほんと!? 嬉しいっ!)
袋の中身が何やらモゾモゾ動いているのが気になるけれども、まぁいいか。
「それじゃ中身を開けるね」
クロードは布袋の紐をほどき、私は中を覗いて……。
「ケローッ!!」
(キャーッ!!)
絶叫した――
**
「うう〜……何アレ……怖い! 怖すぎる!」
私は袋の中身に驚き、その場を飛び跳ねて逃げると近くの木の後ろに隠れてしまった。
何故なら袋の中身は今の私と同じくらいのサイズの活きの良いネズミが入っていたからだ。
何を隠そう、私はネズミが大嫌いだ。いや、ネズミに限らずネズミに似たような顔つきの生き物は大の苦手だ。仮に次に私がネズミの姿にでもなってしまえば、人生に絶望して生きていけないかもしれない。……と言うくらい、ネズミが苦手なのだ。
「おーい、蛙さん! 出ておいで〜!」
遠くの方ではクロードが私を見失って大声を上げながら探している。
嫌だ、絶対に出てやるものか。出たら最後、あのネズミを私にプレゼントしてくるに違いない。
すると、庭師さんがクロードに声をかけた。
「クロード様、ひょっとしてあの蛙さんはまだネズミを食べる年齢ではないのかもしれませんよ?」
「え? そうなのかい? でも本には蛙は生きた餌が大好物と書いてあったけど?」
「ええ、確かにそうですが見たところあの蛙は身体も小さい、もしかするとまだ赤ちゃん蛙かもしれません」
赤ちゃん蛙……? いやいや、流石にそれはないと思うけど?
「だとしたらあの蛙さんにはまだネズミは早かったのかな?」
「ええ、恐らく。だから驚いて逃げてしまったのですよ」
「そうだったのか……」
クロードは少しの間、何やら考え事をしているようだった。
そして再び声を上げた。
「蛙さん! 本当にごめん! 君があんなに怖がるとは思わなかったんだ! ただ僕は本当に感謝の気持ちでネズミをプレゼントしたかったんだ! もうネズミはあげないから出て来てくれるかな?」
クロード……。
彼は本当に私に感謝してくれているんだ……。
そう思った矢先……。
「う! あ、熱い!」
突然自分の身体が焼けるかのように熱くなり始めた。
こ、これは……もしや――!?
(あっ! クロードに庭師さんっ!!)
あの憎たらしい魔法使いの後に癒やしのクロードに会えたことで、嬉しさのあまり私はぴょんぴょん飛び跳ねた。
「蛙さん、すごく喜んでいますね」
庭師さんが笑顔でクロードに話しかけた。
「うん、きっとこの袋の中身が気になるんだよ」
そしてクロードはしゃがみ込むと私の前に紐で結ばれた布袋を置いた。
はて? これは一体なんだろう?
「ケロケロ?」
(これ何?)
「蛙さん、君は僕の大切なペンダントを見つけてくれたから本当に感謝しているんだよ。これはプレゼントだよ。お礼の気持ちとして受け取ってもらえるかな?」
そして笑顔を向けてくる。
ドッキーン!!
イケメンの笑顔は破壊力抜群だ。何を隠そう、私はイケメンに弱いのだ。魔法使いもとびっきりのイケメンだけど、いかんせん性格が宜しくない。
そこへいくと、このクロードはイケメンの上にとっても優しい。うん、あんな魔法使いに比べると彼のほうが10倍……いや、比べるのもおこがましい。
「ケロケロケロ? ケロケロケロケロ?」
(これプレゼント? 私にくれるの?)
布袋を前に、無駄とは知りつつクロードに尋ねる。すると私の鳴き声? が通じたのか頷くクロード。
「うん、蛙さんへのプレゼントだよ」
(ほんと!? 嬉しいっ!)
袋の中身が何やらモゾモゾ動いているのが気になるけれども、まぁいいか。
「それじゃ中身を開けるね」
クロードは布袋の紐をほどき、私は中を覗いて……。
「ケローッ!!」
(キャーッ!!)
絶叫した――
**
「うう〜……何アレ……怖い! 怖すぎる!」
私は袋の中身に驚き、その場を飛び跳ねて逃げると近くの木の後ろに隠れてしまった。
何故なら袋の中身は今の私と同じくらいのサイズの活きの良いネズミが入っていたからだ。
何を隠そう、私はネズミが大嫌いだ。いや、ネズミに限らずネズミに似たような顔つきの生き物は大の苦手だ。仮に次に私がネズミの姿にでもなってしまえば、人生に絶望して生きていけないかもしれない。……と言うくらい、ネズミが苦手なのだ。
「おーい、蛙さん! 出ておいで〜!」
遠くの方ではクロードが私を見失って大声を上げながら探している。
嫌だ、絶対に出てやるものか。出たら最後、あのネズミを私にプレゼントしてくるに違いない。
すると、庭師さんがクロードに声をかけた。
「クロード様、ひょっとしてあの蛙さんはまだネズミを食べる年齢ではないのかもしれませんよ?」
「え? そうなのかい? でも本には蛙は生きた餌が大好物と書いてあったけど?」
「ええ、確かにそうですが見たところあの蛙は身体も小さい、もしかするとまだ赤ちゃん蛙かもしれません」
赤ちゃん蛙……? いやいや、流石にそれはないと思うけど?
「だとしたらあの蛙さんにはまだネズミは早かったのかな?」
「ええ、恐らく。だから驚いて逃げてしまったのですよ」
「そうだったのか……」
クロードは少しの間、何やら考え事をしているようだった。
そして再び声を上げた。
「蛙さん! 本当にごめん! 君があんなに怖がるとは思わなかったんだ! ただ僕は本当に感謝の気持ちでネズミをプレゼントしたかったんだ! もうネズミはあげないから出て来てくれるかな?」
クロード……。
彼は本当に私に感謝してくれているんだ……。
そう思った矢先……。
「う! あ、熱い!」
突然自分の身体が焼けるかのように熱くなり始めた。
こ、これは……もしや――!?