私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
2-9 金色の瞳
「それにしても、今回も随分可愛らしい生き物になったね?白フクロウだなんて。もっとも白蛙の頃の君の姿もとても可愛かったけどね?」
魔法使いの言葉にギョッとした。
「え? ちょぉ〜っと待ってよ……。ひょっとして貴方は次に私が何の生き物に変化するのか……知らないの?」
「うん、生憎分知らないんだよ。あれ? でもそれらしいことを示唆したつもりだったんだけどな……?」
腕組みして考え込む魔法使い。
うん。確かに会話の要所要所で、それらしいことを言っていた気もするけれど……。
「そ、そんな! それじゃ次に私がどんな生き物になるかすら分からない呪いだっていうの!?」
ショックで身体が縮み込んで、半分くらいの細さになってしまう。
「な、何だい!? そ、その姿は……! クッ……プハッ! アーハッハッハッ……!!」
再び魔法使いは再びお腹を抑えて笑い始める。
うん、こうなったらもう無駄だ。諦めて魔法使いが笑い止むのを待つしかあるまい……。
ホウホウと鳴きながら私は魔法使いが笑い止むのを、月を眺めながら待つことにした――
**
「ひぃ〜……あ〜く、苦しかった……」
ひとしきり笑った魔法使いは眼鏡を外して、ハンカチを取り出した。
ドッキーンッ!!
再び現れる見目麗しい顔。うう……反則だ……こんなの絶対に反則だ……!
こんな美形を拝んだら……お、怒れないじゃないの!
魔法使いは涙を拭い……私の視線に気付いたのか、振り向いた。
「あれ? どうかした? サファイア」
うわあ……!
その時、私は気付いた。魔法使いの瞳が月の光に反射するかのように金色に光っていたことを。
「すごい……」
思わず口に出していた。
「え? 何が?」
「貴方の瞳って金色に輝いているのね?」
すると何故か魔法使いは困った顔をする。
「あ……これは……」
そして眼鏡をかけようとしたので、私は止めた。
「あ! 待ってよ!」
「え? な、何?」
「もっと、その目を見せてよ」
「え? だ、だけど……」
「だって、そんなに綺麗な目を見るの……初めてなんだもの」
「え? この……僕の瞳が? 綺麗?」
魔法使いは驚いたように私を見る。
「うん、そうよ。まるで月みたいに光り輝いているじゃない。」
「サファイアは……僕の瞳が怖くないの……?」
「何で怖いの? こんなに素敵なのに?」
「そっか……君は怖くないのか……」
魔法使いは嬉しそうに私を見て笑う。
「そ、そうよ! ぜーんぜん怖く無いんだから!」
素敵過ぎる笑顔が眩しすぎて、私はそっぽを向いて返事をする。
「そっか〜ありがとう、サファイア。でも君の瞳も青い宝石みたいで綺麗だよ。本当のサファイアみたいにね」
そして魔法使いは私の頭をそっと撫でた。
もしかして……この魔法使い、本当はいい人なのかも……。そう思った瞬間、何故か思わず身体がフワッと丸まった。
すると……。
「な、何だい? そ、それ……ま、まるで風船みたいだ……アーハッハッハッ…!!」
再び笑い転げる魔法使い。
う〜前言撤回! やっぱり彼は嫌な最低魔法使いだ――!
魔法使いの言葉にギョッとした。
「え? ちょぉ〜っと待ってよ……。ひょっとして貴方は次に私が何の生き物に変化するのか……知らないの?」
「うん、生憎分知らないんだよ。あれ? でもそれらしいことを示唆したつもりだったんだけどな……?」
腕組みして考え込む魔法使い。
うん。確かに会話の要所要所で、それらしいことを言っていた気もするけれど……。
「そ、そんな! それじゃ次に私がどんな生き物になるかすら分からない呪いだっていうの!?」
ショックで身体が縮み込んで、半分くらいの細さになってしまう。
「な、何だい!? そ、その姿は……! クッ……プハッ! アーハッハッハッ……!!」
再び魔法使いは再びお腹を抑えて笑い始める。
うん、こうなったらもう無駄だ。諦めて魔法使いが笑い止むのを待つしかあるまい……。
ホウホウと鳴きながら私は魔法使いが笑い止むのを、月を眺めながら待つことにした――
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「ひぃ〜……あ〜く、苦しかった……」
ひとしきり笑った魔法使いは眼鏡を外して、ハンカチを取り出した。
ドッキーンッ!!
再び現れる見目麗しい顔。うう……反則だ……こんなの絶対に反則だ……!
こんな美形を拝んだら……お、怒れないじゃないの!
魔法使いは涙を拭い……私の視線に気付いたのか、振り向いた。
「あれ? どうかした? サファイア」
うわあ……!
その時、私は気付いた。魔法使いの瞳が月の光に反射するかのように金色に光っていたことを。
「すごい……」
思わず口に出していた。
「え? 何が?」
「貴方の瞳って金色に輝いているのね?」
すると何故か魔法使いは困った顔をする。
「あ……これは……」
そして眼鏡をかけようとしたので、私は止めた。
「あ! 待ってよ!」
「え? な、何?」
「もっと、その目を見せてよ」
「え? だ、だけど……」
「だって、そんなに綺麗な目を見るの……初めてなんだもの」
「え? この……僕の瞳が? 綺麗?」
魔法使いは驚いたように私を見る。
「うん、そうよ。まるで月みたいに光り輝いているじゃない。」
「サファイアは……僕の瞳が怖くないの……?」
「何で怖いの? こんなに素敵なのに?」
「そっか……君は怖くないのか……」
魔法使いは嬉しそうに私を見て笑う。
「そ、そうよ! ぜーんぜん怖く無いんだから!」
素敵過ぎる笑顔が眩しすぎて、私はそっぽを向いて返事をする。
「そっか〜ありがとう、サファイア。でも君の瞳も青い宝石みたいで綺麗だよ。本当のサファイアみたいにね」
そして魔法使いは私の頭をそっと撫でた。
もしかして……この魔法使い、本当はいい人なのかも……。そう思った瞬間、何故か思わず身体がフワッと丸まった。
すると……。
「な、何だい? そ、それ……ま、まるで風船みたいだ……アーハッハッハッ…!!」
再び笑い転げる魔法使い。
う〜前言撤回! やっぱり彼は嫌な最低魔法使いだ――!