私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
2-11 夜空に響き渡る悲鳴
「ヒーッヒッヒッ……く、苦しい……笑死しそう……」
未だに魔法使いは木の上で笑い転げている。
ふん! 全く頭にきてしまう。こっちは真剣だって言うのに。
「なら、いっそ本当に笑死したらどうですか? 800年も生きていれば十分でしょう?」
「ま、また……そんなつれないこと……プハッ! い、言わなくても……アーハッハッく、苦しい……」
「もう、いい加減に笑いを止めてよ! これじゃ話も出来ないでしょう?」
「ご、ごめ……もうすぐ、もうすぐ落ち着くから……」
魔法使いは胸を抑えながら笑いを押さえようとしている。
「本当に失礼な魔法使いね。こっちはこれからどうやってクロードの機嫌を取ろうか考えているところなのに」
すると、魔法使いはピタリと笑いを止めた。
「ええっ!? ま、まさかサファイアが第二形態に変身できたのはクロード王子のお陰なのかい!?」
「第2形態って一体どういう意味よ。まぁ、多分クロードのお陰だと思うけど……ん!? ちょっと待って。貴方、もしかしてクロードのこと知ってるの?」
「う〜ん……まぁ、知ってると言えば知ってるけど……え? うわあ! な、何で威嚇してるのかなぁ!?」
私は羽をバサバサと大きく広げて、ホウホウと鳴いた。
「どういうことよ! クロードのこと知ってるなら、何故そのこと教えてくれなかったのよ! そうしたら、どうすれば彼に気に入られるか対策を立てられたのに!」
羽を広げてギラリと睨みつける私。
「そ、そんなこと言っても、まさかサファイアがクロード王子のことを知ってるとは思いもしなかったし、第一僕だって彼と直接知り合いってわけじゃないんだよ! として知ってるだけで……って痛い痛い! その尖ったクチバシで突くのはやめてくれないかなぁ!?」
「だったら! 初めから情報だけでも教えておきなさいよ! エイッ! どう? 蛙キックより威力抜群でしょう!?」
私は魔法使いの腕やら足をクチバシで軽く? あちこち突いてやった。
「わ、分かったよ! 教える! 僕の知ってるクロード王子の情報なら教えるから!」
必死で私からの攻撃を防ぐ魔法使い。フフン、どうよ? 私のクチバシ攻撃の威力は。
「それなら許してあげる、さて……。それじゃ早速クロードの情報を教えてもらおうじゃないの」
「う、うん……分かったよ……。それにしてもサファイア。やっぱり君って、噂通り凶暴だったんだねぇ〜」
魔法使いは突かれた場所をさすりながら私に失礼なことを言ってくる。
「だから! 私はサファイアじゃないんだってば! 気付けばこの世界の、蛙になったこの身体に憑依してしまったんだって言ってるでしょう!?」
「う~ん……そんなこと言われても困るなぁ……。大体、僕は人の姿のサファイアに会った事すらないし……。だから君の魂が本物のサファイアかどうかなんて確認していないんだよ」
「……は?」
何……? この魔法使い。またしても爆弾発言している気がするんだけど……?
そして私の苛立つ気持ちなどお構いなしに、得意げに語る魔法使い。
「僕はね、遠隔魔法も得意なんだよ。その場にいなくても、ずーっと離れた場所から対象物へ魔法を掛けることができるんだから。これも僕が偉大な魔法使いだからかな……って! い、痛い痛い! ど、どうしてまた突くのかな!?」
「うるさーい! あたりまえでしょう! 呪いの魔法を掛ける相手が本物かどうか確認してから掛けなさいよーっ!」
そして、夜空に魔法使いの悲鳴が響き渡るのだった――
未だに魔法使いは木の上で笑い転げている。
ふん! 全く頭にきてしまう。こっちは真剣だって言うのに。
「なら、いっそ本当に笑死したらどうですか? 800年も生きていれば十分でしょう?」
「ま、また……そんなつれないこと……プハッ! い、言わなくても……アーハッハッく、苦しい……」
「もう、いい加減に笑いを止めてよ! これじゃ話も出来ないでしょう?」
「ご、ごめ……もうすぐ、もうすぐ落ち着くから……」
魔法使いは胸を抑えながら笑いを押さえようとしている。
「本当に失礼な魔法使いね。こっちはこれからどうやってクロードの機嫌を取ろうか考えているところなのに」
すると、魔法使いはピタリと笑いを止めた。
「ええっ!? ま、まさかサファイアが第二形態に変身できたのはクロード王子のお陰なのかい!?」
「第2形態って一体どういう意味よ。まぁ、多分クロードのお陰だと思うけど……ん!? ちょっと待って。貴方、もしかしてクロードのこと知ってるの?」
「う〜ん……まぁ、知ってると言えば知ってるけど……え? うわあ! な、何で威嚇してるのかなぁ!?」
私は羽をバサバサと大きく広げて、ホウホウと鳴いた。
「どういうことよ! クロードのこと知ってるなら、何故そのこと教えてくれなかったのよ! そうしたら、どうすれば彼に気に入られるか対策を立てられたのに!」
羽を広げてギラリと睨みつける私。
「そ、そんなこと言っても、まさかサファイアがクロード王子のことを知ってるとは思いもしなかったし、第一僕だって彼と直接知り合いってわけじゃないんだよ! として知ってるだけで……って痛い痛い! その尖ったクチバシで突くのはやめてくれないかなぁ!?」
「だったら! 初めから情報だけでも教えておきなさいよ! エイッ! どう? 蛙キックより威力抜群でしょう!?」
私は魔法使いの腕やら足をクチバシで軽く? あちこち突いてやった。
「わ、分かったよ! 教える! 僕の知ってるクロード王子の情報なら教えるから!」
必死で私からの攻撃を防ぐ魔法使い。フフン、どうよ? 私のクチバシ攻撃の威力は。
「それなら許してあげる、さて……。それじゃ早速クロードの情報を教えてもらおうじゃないの」
「う、うん……分かったよ……。それにしてもサファイア。やっぱり君って、噂通り凶暴だったんだねぇ〜」
魔法使いは突かれた場所をさすりながら私に失礼なことを言ってくる。
「だから! 私はサファイアじゃないんだってば! 気付けばこの世界の、蛙になったこの身体に憑依してしまったんだって言ってるでしょう!?」
「う~ん……そんなこと言われても困るなぁ……。大体、僕は人の姿のサファイアに会った事すらないし……。だから君の魂が本物のサファイアかどうかなんて確認していないんだよ」
「……は?」
何……? この魔法使い。またしても爆弾発言している気がするんだけど……?
そして私の苛立つ気持ちなどお構いなしに、得意げに語る魔法使い。
「僕はね、遠隔魔法も得意なんだよ。その場にいなくても、ずーっと離れた場所から対象物へ魔法を掛けることができるんだから。これも僕が偉大な魔法使いだからかな……って! い、痛い痛い! ど、どうしてまた突くのかな!?」
「うるさーい! あたりまえでしょう! 呪いの魔法を掛ける相手が本物かどうか確認してから掛けなさいよーっ!」
そして、夜空に魔法使いの悲鳴が響き渡るのだった――