私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
3-2 ここはどこ?
「ニャン? ニャニャン!?」
(え? 嘘でしょう!?)
信じられない。ここは3階、しかも窓を閉められたら何処にも行き場がない。
いくら私が身軽でしなやかな肢体を持つ? 猫だとしても3階から飛び降りるなんて出来るはずがない。
「ニャニャーンッ!! ニャニャニャニャン!!」
(クロード!! ここを開けてよ!!)
私はニャンニャン鳴きながら窓をカリカリしてみるが一向に開く気配がない。それどころか部屋にはクロードの姿がない。
「そ、そんなーっ!! どうしてバルコニーに閉じ込められなければならないのよ!」
青い空を見上げて、ニャンニャンと叫ぶ私。こんな時に限って、あの肝心な魔法使いすらやってこない。
今ほど、自分の姿がフクロウでは無いことが呪わしい。気味悪いミルワームを主食にしようが、自由に空を飛び回れたのだから。
「ニャンニャンニャンニャンニャンニャーン!」
(お願いだから誰かここを開けてよー!)
必死でニャンニャン鳴いて窓枠を爪でカリカリ引っ掻いていると、突然扉が開かれた。
「ニャン?」
(え?)
驚いて上を見上げると、そこには黒いワンピースに白いエプロン姿の……何処からどう見てもメイドさんの姿の若い女性が立っていた。
「あら? この猫ちゃんね? クロード様がおしゃっていた猫は」
「ニャ〜ン?」
(どういうこと?)
思わず首を傾げると、ヒョイと抱き上げられた。
「うわ〜真っ白で可愛らしい猫ちゃんだわ〜。それにしてもクロード様もお気の毒ね。こんなに可愛いのに、猫アレルギーなのだから」
「ニャニャ!? ニャニャニャニャン!?」
(嘘!? 猫アレルギーだったの!?)
そ、そんな……私はそんなことも知らずに猫アレルギーのクロードにすり寄っていたなんて……。あの後、喘息が出ていなければいいのだけど……。
「ニャ〜ン……」
(クロード……)
思わず項垂れると、メイドさんに頭を撫でられた。
「まぁ、本当に賢い猫ちゃんね。まるで人の言葉が理解できているみたい」
(ええ、そうよ! 私は人の言葉が理解できる猫なんだから!)
自信っぷりにニャンニャン鳴く私。
「ごめんね。クロード様は猫の側に長くいられないからバルコニーに出したのよ。それじゃ行きましょう」
メイドさんは私を抱きかかえたまま、クロードの部屋に入っていくとそのまま扉へから外へと出ていく。
(ちょ、ちょっと!何処へ私を連れていくつもりなの!?)
戸惑いながら、身を任せているとメイドさんは私を抱きかかえたまま廊下に出てしまった。そこで私は思わず目を見張る。
うわ〜……なんて素敵な廊下なのだろう。
学生時代に行ったことのある美術館みたいだ。さすがは王子様の住まうお城。
廊下は赤い絨毯が敷き詰められ、高い天井からはシャンデリアがぶら下がっている。
私は周りの美しい光景に目を取られていた為に、自分が何処に運ばれているのか考えもしていなかった。
やがてメイドさんは木の扉の前に着くと、扉を開けた。
「はい、着いたわよ。猫ちゃん」
(え?)
気づけば外で、目の前には大量のシーツがロープに干されて風に揺れていた――
(え? 嘘でしょう!?)
信じられない。ここは3階、しかも窓を閉められたら何処にも行き場がない。
いくら私が身軽でしなやかな肢体を持つ? 猫だとしても3階から飛び降りるなんて出来るはずがない。
「ニャニャーンッ!! ニャニャニャニャン!!」
(クロード!! ここを開けてよ!!)
私はニャンニャン鳴きながら窓をカリカリしてみるが一向に開く気配がない。それどころか部屋にはクロードの姿がない。
「そ、そんなーっ!! どうしてバルコニーに閉じ込められなければならないのよ!」
青い空を見上げて、ニャンニャンと叫ぶ私。こんな時に限って、あの肝心な魔法使いすらやってこない。
今ほど、自分の姿がフクロウでは無いことが呪わしい。気味悪いミルワームを主食にしようが、自由に空を飛び回れたのだから。
「ニャンニャンニャンニャンニャンニャーン!」
(お願いだから誰かここを開けてよー!)
必死でニャンニャン鳴いて窓枠を爪でカリカリ引っ掻いていると、突然扉が開かれた。
「ニャン?」
(え?)
驚いて上を見上げると、そこには黒いワンピースに白いエプロン姿の……何処からどう見てもメイドさんの姿の若い女性が立っていた。
「あら? この猫ちゃんね? クロード様がおしゃっていた猫は」
「ニャ〜ン?」
(どういうこと?)
思わず首を傾げると、ヒョイと抱き上げられた。
「うわ〜真っ白で可愛らしい猫ちゃんだわ〜。それにしてもクロード様もお気の毒ね。こんなに可愛いのに、猫アレルギーなのだから」
「ニャニャ!? ニャニャニャニャン!?」
(嘘!? 猫アレルギーだったの!?)
そ、そんな……私はそんなことも知らずに猫アレルギーのクロードにすり寄っていたなんて……。あの後、喘息が出ていなければいいのだけど……。
「ニャ〜ン……」
(クロード……)
思わず項垂れると、メイドさんに頭を撫でられた。
「まぁ、本当に賢い猫ちゃんね。まるで人の言葉が理解できているみたい」
(ええ、そうよ! 私は人の言葉が理解できる猫なんだから!)
自信っぷりにニャンニャン鳴く私。
「ごめんね。クロード様は猫の側に長くいられないからバルコニーに出したのよ。それじゃ行きましょう」
メイドさんは私を抱きかかえたまま、クロードの部屋に入っていくとそのまま扉へから外へと出ていく。
(ちょ、ちょっと!何処へ私を連れていくつもりなの!?)
戸惑いながら、身を任せているとメイドさんは私を抱きかかえたまま廊下に出てしまった。そこで私は思わず目を見張る。
うわ〜……なんて素敵な廊下なのだろう。
学生時代に行ったことのある美術館みたいだ。さすがは王子様の住まうお城。
廊下は赤い絨毯が敷き詰められ、高い天井からはシャンデリアがぶら下がっている。
私は周りの美しい光景に目を取られていた為に、自分が何処に運ばれているのか考えもしていなかった。
やがてメイドさんは木の扉の前に着くと、扉を開けた。
「はい、着いたわよ。猫ちゃん」
(え?)
気づけば外で、目の前には大量のシーツがロープに干されて風に揺れていた――