私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
3-4 ここは極楽
私が猫化して、早いもので1週間が経過していた。
「あ〜……ここは極楽、天国だわ……」
今日も私は美味しいミルクをたっぷり飲み、木の下でメイドさん達が用意したふかふかのクッションの上でお昼寝をしていた。
そよそよと吹いてくる風が気持ちいい。
その時――
「ミルクちゃ〜ん」
不意に私を呼ぶ声が聞こえてきた。あ! あれはメイドのジルの声だ!
「ミャァ〜ン!」
私は甘えた鳴き声を上げて、クッションの上から飛び降りるとニャンニャン鳴きながら声の聞こえた方向へと駆け寄った。
「あ! ミルクちゃん。見つけたわ!」
おかっぱ頭のジルは私を見ると嬉しそうに笑った。
「ミルクちゃんにおやつを持ってきてあげたわよ」
ジルはニコニコ笑いながらエプロンのポケットから包み紙を取り出した。そう、実は私はここでは「ミルク」という名前を付けられて呼ばれていた。何故この呼名がついたかと言うと、それは私の身体がミルクのように真っ白で、しかもミルク好きだからである。
「ニャニャン? ニャニャン?」
(おやつ? なになに?)
「ほら、大好物のチーズよ」
包み紙を開いてジルが見せてくれたのは一口大のチーズだった。 しかも私の大好物の白カビチーズ。
「ニャニャン!! ニャーン!」
(すごい!! 最高!)
ここのメイドさん達は皆私を可愛がってくれているけれども、特に可愛がってくれるのが今目の前にいるジルなのである。
彼女は何かにつけ、厨房から食べ物をこっそり拝借して私におやつと称して色々くれるのであった。
「ふふ、どう? 嬉しい?」
しゃがみ込み、私の頭を撫でるジル。
「ニャン! ニャンニャン! ニャンニャン!」
(ええ! とても嬉しい! ありがとう!)
そして私は喉をゴロゴロ鳴らしながら、自分の身体を擦り付けた。
う〜ん……自分で言うのも何だけど、最近の私は猫化? が進んでいる気がする。
「まぁ、こんなに喜んでくれて可愛いわね。さ、お食べ」
「ニャーン」
(はーい)
そして私は大好物の白カビチーズを味わって食べた。私が食べ終わるのを見届けるとジルが声を掛けてきた。
「今日はね、私がミルクちゃんを世話する日なのよ。丁度仕事が休み時間になったから、今からお風呂に入れてあげるわね」
「ニャーン? ニャンニャン!」
(おふろ? 最高!)
普通の猫ならお風呂が嫌いかもしれなけいれども、私は元々は人間。しかもだいのお風呂好きだった。
「よし、それじゃ行きましょう」
ヒョイとジルに抱き上げられた私はお風呂に入れてもらいに連れて行かれた――
その夜――
スヤスヤとベッドで眠るジルの隣で私も気持ちよく眠っていると、不意に名前を呼ばれる声が聞こえてきた。
「サファイア……起きて。サファイア……」
「う〜ん……誰よ。私を呼ぶのは……」
ムクリと起き上がって目をこすると、部屋の片隅に月明かりに照らされた魔法使いが立っている姿が目に入った。
「あ……ああっ!! 魔法使いじゃないの!」
驚きながら右前足で魔法使いを指すと、彼はニッコリ笑った。
「サファイア。1週間ぶりかな? 夜の散歩に行かないかい?」
そして魔法使いはパチンと指を鳴らした――
「あ〜……ここは極楽、天国だわ……」
今日も私は美味しいミルクをたっぷり飲み、木の下でメイドさん達が用意したふかふかのクッションの上でお昼寝をしていた。
そよそよと吹いてくる風が気持ちいい。
その時――
「ミルクちゃ〜ん」
不意に私を呼ぶ声が聞こえてきた。あ! あれはメイドのジルの声だ!
「ミャァ〜ン!」
私は甘えた鳴き声を上げて、クッションの上から飛び降りるとニャンニャン鳴きながら声の聞こえた方向へと駆け寄った。
「あ! ミルクちゃん。見つけたわ!」
おかっぱ頭のジルは私を見ると嬉しそうに笑った。
「ミルクちゃんにおやつを持ってきてあげたわよ」
ジルはニコニコ笑いながらエプロンのポケットから包み紙を取り出した。そう、実は私はここでは「ミルク」という名前を付けられて呼ばれていた。何故この呼名がついたかと言うと、それは私の身体がミルクのように真っ白で、しかもミルク好きだからである。
「ニャニャン? ニャニャン?」
(おやつ? なになに?)
「ほら、大好物のチーズよ」
包み紙を開いてジルが見せてくれたのは一口大のチーズだった。 しかも私の大好物の白カビチーズ。
「ニャニャン!! ニャーン!」
(すごい!! 最高!)
ここのメイドさん達は皆私を可愛がってくれているけれども、特に可愛がってくれるのが今目の前にいるジルなのである。
彼女は何かにつけ、厨房から食べ物をこっそり拝借して私におやつと称して色々くれるのであった。
「ふふ、どう? 嬉しい?」
しゃがみ込み、私の頭を撫でるジル。
「ニャン! ニャンニャン! ニャンニャン!」
(ええ! とても嬉しい! ありがとう!)
そして私は喉をゴロゴロ鳴らしながら、自分の身体を擦り付けた。
う〜ん……自分で言うのも何だけど、最近の私は猫化? が進んでいる気がする。
「まぁ、こんなに喜んでくれて可愛いわね。さ、お食べ」
「ニャーン」
(はーい)
そして私は大好物の白カビチーズを味わって食べた。私が食べ終わるのを見届けるとジルが声を掛けてきた。
「今日はね、私がミルクちゃんを世話する日なのよ。丁度仕事が休み時間になったから、今からお風呂に入れてあげるわね」
「ニャーン? ニャンニャン!」
(おふろ? 最高!)
普通の猫ならお風呂が嫌いかもしれなけいれども、私は元々は人間。しかもだいのお風呂好きだった。
「よし、それじゃ行きましょう」
ヒョイとジルに抱き上げられた私はお風呂に入れてもらいに連れて行かれた――
その夜――
スヤスヤとベッドで眠るジルの隣で私も気持ちよく眠っていると、不意に名前を呼ばれる声が聞こえてきた。
「サファイア……起きて。サファイア……」
「う〜ん……誰よ。私を呼ぶのは……」
ムクリと起き上がって目をこすると、部屋の片隅に月明かりに照らされた魔法使いが立っている姿が目に入った。
「あ……ああっ!! 魔法使いじゃないの!」
驚きながら右前足で魔法使いを指すと、彼はニッコリ笑った。
「サファイア。1週間ぶりかな? 夜の散歩に行かないかい?」
そして魔法使いはパチンと指を鳴らした――